
サインツ、Q1敗退の裏に”三重苦”「僕はテストしに来たわけじゃない」今季ワースト19番手
6月28日に開催された2025年F1第11戦オーストリアGP予選で、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)はQ1で敗退し、決勝を19番グリッドからスタートすることとなった。ノックアウト直後に無線を通じて、「クルマはドライブできる状態じゃなかった」と不満を漏らしていたが、複数の技術的トラブルに直面していたことが明らかになった。
英専門誌『Autosport』によると予選を終えたサインツは、フロアに損傷が確認されたことを明かし、「コースオフしたわけじゃないし、走行中に何かが外れてしまったかもしれない。いずれにせよ、かなりの量のダウンフォースを失っていた」と説明した。
また、ブレーキにも問題が発生していたと明かし、「減速するとクルマが一方向に引っ張られる感覚があった」と振り返った。
サインツによれば、このブレーキのトラブルは、フリー走行3回目から予選にかけて行われた通常のブレーキ交換作業の後に発生したものだという。レッドブル・リンクには3箇所のヘビーブレーキングゾーンがある。そのため、特にその影響が大きく響いたとサインツは主張した。
本来のペースは「Q2進出圏内」と分析
チームメイトのアレックス・アルボンがQ2進出を果たしたことを引き合いに出し、サインツは自身の本来のパフォーマンスを次のように分析した。
「今週末はずっと、アレックスと似たようなペースだった。通常通りの状態ならQ2進出は間違いなく可能だった」
また、ソフトタイヤから適切なパフォーマンスを引き出すことにも手を焼いていたと説明した。
「僕らはソフトタイヤに苦戦していたから、Q3進出は難しかったかもしれない。それでもQ2の上位には入れたはずだ」
さらに、「昨日の段階から、レースペースは中団で争えるレベルにあると感じていたけど、どういうわけかソフトタイヤでいつも苦戦する」と続けた。
ウィリアムズは過去数戦において、ソフトタイヤ装着時のグリップ不足と、それに伴う予選でのパフォーマンス低下に悩まされている。
サインツは第4戦バーレーンGP以降、4戦連続でQ3進出を果たしているが、過去2戦は18番手、17番手と、今回で3戦連続のQ1敗退となった。
改善を強く主張「テストしに来たわけじゃない」
今後の対応について、サインツはチーム全体として抜本的な改善を進めていく必要があると強く主張した。
「僕はテストをしにここへ来ているわけでもなければ、19番手で終わるためにここへ来ているわけでもない。悪い状況が続いているし、何が起きているのか徹底的に調べ、チーム一丸となって問題解決に向けて取り組まなきゃならない」
予選で苦境に立たされたことから、本来いるべき位置とは程遠いグリッドとなったサインツ陣営は、セットアップ変更を伴うピットレーンスタートを選択する可能性もある。
2025年F1オーストリアGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)という結果となった。
決勝レースは日本時間6月29日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4318mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。