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見えてきたレーシングブルズの課題と進捗、角田裕毅&メキースがF1テストを総括
2025年F1公式プレシーズンテスト最終3日目のセッションが2月28日(金)に行われ、各チームが開幕戦に向けた最終調整を行った。
レーシング・ブルズの角田裕毅は午後のセッションで87周を走破し、7番手タイムを記録。一方、午前を担当した僚友のアイザック・ハジャーは、角田裕毅より一段階柔らかいC4コンパウンドながらも15番手にとどまった。
レーシング・ブルズの進捗と課題
角田裕毅は3日間で211周(1,142km)を走破し、全体で6番目に多い走行距離を記録。ショートランとロングランを組み合わせたテストプログラムに取り組み、マシンの強みと今後の課題を浮き彫りにした。
ロングランペースについて角田裕毅は「かなり良い」と評価し、収集したデータにより「現在および今後の開発において、どのエリアに焦点を当てるべきなのか」が明らかになったと説明した。
また、プレシーズンテスト全体を通して「前進することができた」とし、「実りの多い3日間」になったとも語った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージ内で腕を組む角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2025年2月27日(木) F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
一方、ハジャーは午前のセッションで最多周回数を記録し、初めてのレースシミュレーションを経験。ロングランの安定性には手応えを感じたものの、ショートランでのパフォーマンス向上が今後の課題であると認めた。
「57周のレースシミュレーションは僕にとって初めての貴重な経験だった。ロングランはかなり良かったと思うけど、1ラップでクルマのパフォーマンスを最大限に引き出すには、まだやるべきことがある」とハジャーは振り返った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
走行準備をするアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年2月27日(木) F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
メキース「成功だった」と総括
チーム代表のローラン・メキースは、バーレーンでのプレシーズンテストを総括し、「成功だった」と評価。マシンに大きなトラブルが発生せず、計画通りにテストプログラムを消化できたことが大きな収穫だったと述べた。
レーシング・ブルズは3日間で計454周(2,457km)を走破した。これは最多メルセデス(458周)よりわずか4周少ない数値で、全体としては3番目に多いマイレージとなった。一方で、シニアチームのレッドブルは技術的な問題に見舞われたこともあり、304周(1,645km)にとどまった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージの様子をうかがうローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年2月27日(木) F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
メキースはドライバーについても高く評価し、角田裕毅の「モチベーションの高さ」と、新人ハジャーの「適応力」に言及。「素晴らしい仕事ぶりを見せてくれた」と語った。
また、テストを通して気温が低く、雨に見舞われたことにも触れ、バーレーンでのデータは完全に代表的なものではないとも指摘。開幕戦の地、アルバート・パーク・サーキットではより高温のコンディションが予期されるため、VCARB 02の評価は開幕戦を待つ必要があるとした。
レーシング・ブルズはこの後、ファエンツァとミルトン・キーンズのファクトリーに戻り、バーレーンテストで得たデータを詳細に分析し、3月14日の開幕オーストラリアGP初日に備えることになる。