ロングラン分析で浮かび上がるF1勢力図、本当に速いのは何処か?

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バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたF1プレシーズンテストの2日目。午前中は雨の影響を受けたが、午後には複数のチームが本格的なレースシミュレーションを実施。その結果、シーズン開幕に向けた勢力図の大まかな輪郭が見えてきた。

マクラーレン、ロングランで圧倒ペース

午後のセッションでは、マクラーレン、フェラーリ、メルセデス、レッドブル、レーシング・ブルズ、ザウバーの6チームが、それぞれ異なるタイヤ戦略でレースシミュレーションを実施した。

その結果、ランド・ノリスが3スティント合計51周のシミュレーションで、フェラーリを30秒、メルセデスを33秒引き離し、マクラーレンの競争力の高さを示した。

ただし、ノリスがC3(ソフト)→ C1(ハード)→ C2(ミディアム)の順にスティントを繋いだ一方、他の5人はC3 → C2 → C1の順で走行した点には留意すべきだ。また、ストレートでの最高速度から判断すると、最終スティントではエンジンモードを引き上げた可能性がある。

それでも、ノリスのロングランは全体的に0.5秒ほど速く、特に最終スティントではフェラーリやメルセデスよりも平均1秒以上速いペースを記録。現時点ではマクラーレンが一歩リードしている印象を与えた。

ノリス自身は「リアのダウンフォースがもう少し必要」と課題を指摘したが、それでもライバルを上回るペースを示したのは明らかだった。

メルセデスとフェラーリは拮抗、ただし…

ノリスに次ぐペースを記録したのは、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリとフェラーリのシャルル・ルクレールで、両者のラップタイムはほぼ互角だった。

ただし、アントネッリにとっては現行ピレリタイヤでの初のレースシミュレーションであった点を考慮する必要がある。適応段階にある新人がルクレールと遜色ないペースを記録したことを踏まえると、ポテンシャル的にはメルセデスがやや優位に立っている可能性もある。

一方、トップ4チームの最後の一角であるレッドブルのリアム・ローソンは、アントネッリやルクレールに迫ることができなかった。ただし、チームの真の実力を測るには、最終日のマックス・フェルスタッペンの走りを待つ必要があるだろう。

中団上位を争う4チーム

トップ4に続く中団グループでは、ウィリアムズ、アストンマーチン、ハース、アルピーヌが僅差の戦いを繰り広げている。

ウィリアムズのカルロス・サインツはこの日の最速ラップを記録したが、燃料搭載量が少なかった可能性が高く、単純な比較は難しい。また、本格的なレースシミュレーションは実施していないため、レースペースは未知数だ。

ただしレースペースに関して、ウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表は、アストン、ハース、アルピーヌと拮抗しているとの見解を示している。

一方、レーシング・ブルズとザウバーはやや後れを取っており、競争力向上が求められる状況に思われる。しかし、この日の走行を担当したのはアイザック・ハジャーとガブリエル・ボルトレートという新人ドライバーだったため、現時点で結論を出すのは時期尚早だろう。

最終日には、各チームが開幕戦に向けた最終調整を実施し、勢力図がさらに明確になるはずだ。特に、フェルスタッペンがドライブするRB21がマクラーレンのペースにどこまで迫れるのか、大きな注目が集まる。