
一番乗り!マクラーレンF1、2025年新車「MCL39」初公開―王座防衛に向けシルバーストンでシェイクダウン
2025年のF1シーズンに向け、マクラーレンの新車「MCL39」がプロモーション撮影の一環として英国シルバーストン・サーキットでシェイクダウンを実施した。全チームの中で、マクラーレンが最初に新車の走行を公開した形となる。
ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの2人のレギュラードライバーが交代でステアリングを握り、MCL39を走らせた。マシンにはパパイヤオレンジと黒の幾何学的なカモフラージュ柄が施された。正式なレースリバリーは2月18日にロンドンのO2アリーナで開催される「F1 75」シーズンローンチイベントで発表される予定だ。
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英国シルバーストン・サーキットで2025年型F1マシン「MCL39」のシェイクダウンを行うランド・ノリス、2025年2月13日 (3)
進化したMCL39、さらなるパフォーマンス向上へ
マクラーレンは昨シーズン、26年ぶりにコンストラクターズチャンピオンシップを制覇。今シーズンはドライバーズタイトル獲得にも大きな期待がかかる。MCL39は、昨年の「MCL38」の進化版として開発され、さらなるパフォーマンス向上が図られている。
今回のシェイクダウンでは、MCL39に施された技術的改良のいくつかが確認された。
フロントサスペンションは引き続きプルロッド式を採用したが、昨年のMCL38と比較して、アッパーウィッシュボーン間の間隔が広がっているように見える。
ヘイローの側面には、新たに垂直方向の空力パーツが装着されている可能性がある。リアボディワークの中央部の形状は変更され、リアサスペンションの取り付けポイント周辺のデザインにも調整が加えられた模様だ。
新しい形状のウイングミラーも確認され、視認性や空力性能向上が期待される。
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英国シルバーストン・サーキットで2025年型F1マシン「MCL39」のシェイクダウンを行うランド・ノリス、2025年2月13日 (1)
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英国シルバーストン・サーキットで2025年型F1マシン「MCL39」のシェイクダウンを行うランド・ノリス、2025年2月13日 (2)
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英国シルバーストン・サーキットで2025年型F1マシン「MCL39」のシェイクダウンを行うランド・ノリス、2025年2月13日 (4)
MCL39のさらなる技術的詳細は、2月26日~28日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われるプレシーズンテストで明らかになる見込みだ。
ノリス&ピアストリ、新シーズンへの決意
初走行を終えたノリスは、チームの努力を称えつつ、2025年のさらなる激戦を予想した。
「今日、この瞬間を迎えられたのは、チーム全員の努力のおかげだ。2025年はこれまで以上に競争が激しくなるだろう。コンストラクターズタイトルを防衛し、ドライバーズタイトルも狙うためにやるべきことは多い」
「MTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)でしっかりと準備を進めてきたが、チームの雰囲気は非常に前向きだ。バーレーンでのテストを経て、開幕戦オーストラリアでの競争力がどの程度なのかを確認するのが待ちきれない」
昨年、シーズン最終盤を前にドライバーズタイトル争いから脱落したピアストリも今シーズンへの意気込みを語り、飛躍を誓った。
「MCL39を初めて走らせることができて嬉しい。バーレーンでの本格的なテスト走行を前に、感触を確かめる良い機会になった」
「カモフラージュリバリーはクールな仕上がりだし、来週の正式発表でどんなデザインになるのか、とても楽しみだ」
「オフシーズンを通じてハードワークを続け、シーズンに向けた準備を万全にしてきた。2025年はトップ争いがこれまで以上に接戦になるだろうけど、F1での2年間を経て成長した今、さらなる飛躍のチャンスがあると確信している」
「F1初優勝の経験は忘れられないし、もっと勝ちたい。2024年の勢いをそのままに、2025年も力強くシーズンを戦っていく」
「チームのみんな、そしてファクトリーやサーキットで支えてくれている全員に感謝したい」
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— McLaren (@McLarenF1) February 13, 2025
フェルスタッペンの王座奪取に意欲
昨シーズン、マクラーレンはコンストラクターズタイトルを26年ぶりに獲得したものの、ドライバーズタイトルはマックス・フェルスタッペンの安定したパフォーマンスの前に及ばず、ランド・ノリスはランキング2位に甘んじた。
純粋なマシンの競争力を考えれば、ダブルタイトルの可能性も十分にあっただけに、2025年シーズンへの期待はさらに高まっている。
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、今シーズンは両方の選手権タイトルを持ち帰るつもりだと意気込みを語った。
「今日は、2025年のタイトル争いに向けた大きな節目だ。MCL39が初めてコース上を走る姿を見るのは感慨深い」
「すべてのチームが冬の間に進化を遂げていると考えるべきだ。我々もMCL38からさらなる進歩を果たしたと確信しているが、本当の実力がわかるのはオーストラリアGPの予選が終わった時だ」
「我々が挑戦の歩みを止めることはない。今年も全力を尽くし、ウォーキング(本拠地)に両タイトルを持ち帰るつもりだ」
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表もまた、シェイクダウンを成功させたチームの努力を称賛し、シーズンへの決意を示した。
「MCL39がシルバーストンで初めて走るのを見られて、とても興奮している」
「昨シーズンはコンストラクターズチャンピオンを獲得したが、F1は非常に競争が激しい世界だ。今年も厳しい戦いになると予想しているが、それを乗り越えて前線で戦うことが目標だ」
「開幕戦に向けて、チーム全員が全力で準備してくれた。特にメルセデスHPP(ハイパフォーマンス・パワートレインズ)との協力関係には感謝している。プレシーズンテストを最大限に活用し、シーズン初戦に備えたい」