トップチェッカーを経てパルクフェルメでレッドブルRB20の上に立つマックス・フェルスタッペン、2024年12月1日F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
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衝突&懲罰乱舞のカオス…フェルスタッペン逆転V!RB最遅で角田13位…ザウバー初得点 / F1カタールGP 2024《決勝》結果と詳報

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現地12月1日に行われた2024年FIA-F1世界選手権第23戦カタールGPは、複数回の衝突事故により5台がリタイヤし、厳しいペナルティ裁定が相次ぐなど混沌とした展開となり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2番グリッドから逆転優勝を果たした。

レースを前に、予選Q3で必要以上に低速で走行したとしてポールを剥奪されたフェルスタッペンは、開始直後のターン1でジョージ・ラッセル(メルセデス)のイン側に飛び込み首位を奪還。その後は一度もリードを譲らず、後続に6秒の差をつけトップチェッカーを受けた。

マクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリは3位表彰台に上がったが、フェルスタッペンと優勝を争ったランド・ノリスは、黄旗下の減速義務違反により残り13周で10秒のストップ&ゴーペナルティという厳しい処分が科され10位に終わった。

シャルル・ルクレールの2位フィニッシュによりフェラーリがマクラーレンとの差を21ポイントに縮めたため、コンストラクターズ選手権タイトルは1週間後の最終アブダビGPに持ち越された。

カルロス・サインツ(フェラーリ)はレース序盤にパンクを喫しながらも6位に復帰。フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が7位に続いた。

ラッセルはセーフティカー(SC)規定違反により、チェッカー後に5秒ペナルティを科されたものの、後続との差が十分だったため4位を守った。一方、メルセデスのチームメイトであるルイス・ハミルトンは、ピットレーン速度違反に伴うドライブスルーを含む2つのペナルティを受け、12位でフィニッシュ。失望の色を隠せなかった。

ピエール・ガスリーは5位でフィニッシュし、アルピーヌのコンストラクターズ選手権6位の座を固めた。一方、ライバルであるRB勢は、1周あたり1.5~2秒近いペース差に苦しみ、角田裕毅は一時9番手に順位を上げたものの13位、リアム・ローソンは14位でレースを終えた。

実際、レース中のファステストラップでは2台が最下位に並んだ。2番目に遅かったニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)との差は1.3秒。1分22秒384の全体ベストを記録したノリスとの差は3.7秒に達した。

ケビン・マグヌッセンは9位入賞でハースに2点を加算したが、ヒュルケンベルグはリタイヤに終わり、アルピーヌとの差は5ポイントに広がった。

バルテリ・ボッタスは残り4周でノリスに追い抜かれ、ポイント圏内から脱落したが、チームメイトの周冠宇は8位フィニッシュを果たし、ザウバーに待望の今季初ポイントを持ち帰った。納得のドライバー・オブ・ザ・デイだった。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は2度の接触事故を経て15位でフィニッシュし、完走最下位に終わった。

波乱含みのスタート

ハミルトンはシグナルが消える前にクルマを発進させたとして早々に5秒ペナルティを受けた。

タイヤの温度が作動領域を外れていたのか。スタート直後のターン1では、ハードタイヤを履いた唯一のドライバー、ヒュルケンベルグが起点となり、3台が絡む衝突事故が発生した。巻き込まれたエステバン・オコン(アルピーヌ)とフランコ・コラピント(ウィリアムズ)はリタイヤを余儀なくされ、1回目のセーフティーカー(SC)が導入された。

また、1ターン1での事故の直後には、アルボンとランス・ストロール(アストンマーチン)が接触。車体にダメージを負っただけでなく、10秒ペナルティを受けたストロールは、ペナルティの次戦持ち越しを避けるために、一旦、ピットインして罰則を消化した後、10周目にリタイアした。

角田裕毅、邁進もキープできず

1周目に誰よりも多くポジションを上げ、10番手に浮上した角田裕毅は、5周目のリスタートでアロンソを交わし9番手に浮上する最高のスタートを切った。

だが、VCARB 01のレースペースはライバルに比べ大幅に劣っていた。角田裕毅はペース不足に苦しみ、10周目にマグヌッセン、13周目にガスリーに抜かれてポイント圏外に後退すると、さらに14周目にはアロンソ、15周目には周冠宇、20周目にはボッタスにも交わされ、わずか数周の間に14番手まで順位を下げた。

1回目のリスタートも混乱に見舞われた。ターン1のイン側からボッタスを追い抜こうと試みたローソンがグリップを失いスピン。そのままボッタスに接触し、10秒ペナルティを科された。

運営の過失か? 2台が相次ぎパンク

34周目にハミルトンとサインツが立て続けにパンクに見舞われ、2回目のSCが導入された。

因果関係は不明だが、その5周前、アルボンのマシンからウイングミラーが脱落し、レーシングラインから外れてメインストレート上に落ちる出来事があった。

新任F1レースディレクターのルイ・マルケスはこの状況を放置。その結果、4周後にボッタスがこれに衝突し、メインストレート全体に破片が飛び散った。 ハミルトンとサインツがパンクしたのはその翌周のことだった。

36周目のSC導入を受け、ステイアウト組は一斉にピットレーンになだれ込んだ。ピアストリはSC前にピットインしていたため順位を落とした。

メインストレートのデブリ回収の関係から、SCはピットレーンを通って隊列を先導した。ハミルトンはこの際にピットレーンの制限速度に違反した。

ハミルトンはピットレーンを前に急ブレーキを踏む場面があった。後方を走行していたノリスは、ハミルトンが「ブレーキテスト」をしたと訴えた。また、自身のフロントタイヤがロックしたことに触れ、フラットスポットが生じる可能性があったと非難した。

終盤も混乱止まらず

40周目のリスタートを前に、セルジオ・ペレス(レッドブル)がスピンを喫してレースから脱落した。角田裕毅はハードタイヤを履いて11番手からリスタートに臨んだが、唯一ソフトを開いた後方アルボンに追い抜かれ12番手に後退した。

2度目のリスタートも”クリーン”とはならなかった。ヒュルケンベルグがグラベルに捕まり、 車両回収のために再びSCが導入された。

このタイミングでRBは2台をピットインさせ、ソフトタイヤに履かせるギャンブルに打って出たが、この試みは報われなかった。角田裕毅は14番手、ローソンは最下位15番手からリスタートに臨んだ。ハミルトンが後退したことで角田裕毅は13番手に浮上したが、キープできたのは2周だけだった。

アルボンとマグヌッセンはターン1で接触した。衝突を引き起こした責任を問われ、アルボンは10秒ペナルティを受けた。

レース終盤、ノリスはフェルスタッペンと優勝争いを繰り広げるも、黄旗下で減速を怠ったとして10秒のストップ&ゴーペナルティを受けた。最下位に転落したノリスは、なんとかポイント圏内に復帰し、ファステストラップを記録するも、大量得点のチャンスを失った。

ボッタスは残り5周でアルボンを攻略し、ポイント圏内に浮上したが、その翌周にノリスに追い抜かれ、ザウバーのダブル入賞を逃した。一方で周冠宇は8位と健闘。ザウバーに待望の今季初ポイントをもたらした。

2024年F1第23戦カタールGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 57 1:31:05.323 25
2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 57 +6.031s 18
3 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 57 +6.819s 15
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 57 +14.104s 12
5 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 57 +16.782s 10
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 57 +17.476s 8
7 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 57 +19.867s 6
8 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 57 +25.360s 4
9 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 57 +32.177s 2
10 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 57 +35.762s 2
11 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 57 +50.243s 0
12 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 57 +56.122s 0
13 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 57 +61.100s 0
14 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 57 +62.656s 0
15 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 56 +1 lap 0
NC 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 39 DNF 0
NC 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 38 DNF 0
NC 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 8 DNF 0
NC 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 0 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 0 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温19℃
路面温度23℃

セッション概要

グランプリ名 F1カタールGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 ロサイル・インターナショナル・サーキット
設立 2004年
全長 5419m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1カタールGP特集