レッドブル困惑「信号が消えたら発進するのが当然」言葉に詰まるホーナー、意図的と釈明するペレス
2024年のF1カタールGPのスプリントでスタートの合図が出てなお、セルジオ・ペレスが遅々としてピットレーンを離れず、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)に抜かれたことについて問われたレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は答えに詰まった。
金曜のスプリント予選でSQ1敗退を喫したペレスとコラピントは、パルクフェルメ下でサスペンションのセットアップを変更。19周のレースに向けてペレス、コラピントの順にピットレーンに並んだ。
そして迎えたレースのスタート。ペレスはピット出口のライトがグリーンに変わってもすぐに発進せず、3~4秒後にゆっくりとクルマを前に進めた。この間にコラピントは右側からペレスを追い抜き、ターン1に向けて先行した。
スプリント後、スタートでチェコに何が起きたのか?と尋ねられたホーナーは、すぐに答えることができず、困惑した表情を浮かべて「んー…分からない。この件については彼と話をしなきゃならない」と返した。
「シグナルが消えたら発進するのが当然で、判断を誤ったように見える」
一方、ペレスは、自身のスタートの遅れは意図的なもので、前方の車両との間に十分な距離を確保し、クリーンエアーの中で走行したかったと説明した。
「前の連中との間にギャップを作って、クリーンエアーで走りたかったんだ。ピットで5分近くに渡って停まっていたから、タイヤが冷えていた。クリーンエアーの中でクルマの状態を確認することが重要だった」とペレスは語った。
ペレスはレース終盤、別スペックのフロントウイングに交換するため、本来であればスプリントで不要なピットストップを行った。これはレッドブルが予選に向けてRB20を改善させるための取り組みの一環だった。
ホーナーは「あれはテストの一環だった。幾らかデータを収集できた。ポイントを獲得できる可能性がゼロだったから、スプリントを有効活用した」と語り、ペレスのレースはデータ収集の場だったと説明した。
スプリントでのクルマについてペレスは「加えた変更によってクルマの理解を進めることができたと思う。改善の余地はある。もう少しクルマのバランスを改善することが必要だ」と語った。
レッドブルは集めたデータを分析して、予選に向けて1号車のセットアップを変更した。結果、スプリント予選でトップ5圏外に留まったマックス・フェルスタッペンは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)を抑えて「奇跡」の逆転トップタイムをマークした。
2024年F1カタールGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がトップタイムを記録。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間12月1日(日)25時にフォーメーションラップが開始され、1周5419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。