F1カタールGP:デルタタイム違反で角田裕毅とペレスを処分、一方でスプリント前の周冠宇の超過は不問に
F1カタールGPのスチュワードは、2024年11月29日に行われたスプリント予選中にセーフティーカー(SC)ライン間のラップタイム制限に違反したとして、角田裕毅(RB)とセルジオ・ペレス(レッドブル)を戒告処分とする決定を下した。
コース上の過度なトラフィックを抑制すべく、レースディレクターのルイ・マルケスはスプリント予選を前に、2つのセーフティカーライン間を1分40秒0以下で走行することを禁止する通達を出した。
角田裕毅はSQ1での6ラップ目、ペレスはSQ1での4ラップ目にそれぞれ、この通達に違反したが、デレク・ワーウィックを含む4名の競技審判団は、フェルナンド・アロンソ、エステバン・オコン、ニコ・ヒュルケンベルグを除く他の15名同様、他車を妨害しないよう適切な行動を取り、後続車に道を譲る際にも必要な範囲で減速したとして、不問とした。
しかしながら、角田裕毅とペレスは上記以外のラップでもデルタタイムを遵守しておらず、スプリント予選から一夜明けた現地11月30日の聴聞会で再度、調査を受けた。
角田裕毅は聴聞会の中で、デルタタイムより2秒速いペースで走行していたが、最終コーナー手前で他車を通過させるためにペースを落としたと説明した。チームは、前年と比べてデルタタイムが6秒短縮された点を指摘し、情状酌量を求めた。
スチュワードは、安全性を脅かしたり混乱を引き起こすものではなかったとしつつも、「最終コーナーに到達する前にギャップを詰める余地があった」として、今季2度目の戒告処分(ドライビング)を科した。
一方、ペレスは、他車を妨害しないよう注意しながら前走車との間隔を維持した結果であり、低速で走行したことでタイヤが最適な温度に達せず、アドバンテージを得るどころか逆に不利な立場に置かれたと説明した。
スチュワードはペレスの説明を受け入れ、また、不必要な妨害などの安全上の問題は確認されなかったとしつつも、指定のラップタイムを超過したことは「安全かつ秩序あるイベント進行」の妨げになると強調し、今季初の戒告処分(ドライビング)を科す決定を下した。
土曜のスプリントレースに先立っては、周冠宇(ザウバー)がレコノサンス・ラップで同様の違反を犯した。しかしながら、温度が低い状態のハードタイヤでデルタタイムを遵守することは難しく、「不必要」に低速で走行したわけではないとして、不問とされた。