フェルスタッペン、異例の旧車F1テストは何故行われたのか? イモラでのRB18ドライブの理由を説明するレッドブル
無線を通してRB20に対する不満の声が鳴り止まない状況の中、マックス・フェルスタッペンはF1第10戦スペインGPに先立ち、イモラ・サーキットで2022年型レッドブル「RB18」のプライベートテストに取り組んだ。
大々的に公表されなかったため、ある意味で「隠密テスト」であることは確かだが、競技規定は国際自動車連盟(FIA)および全てのライバルチームに対し、日時はもちろん、テストで使う車両の正確なスペック、走行を担当するドライバー名、そしてその目的を通知するよう定めている。
旧車を使ったテストは通常、チーム所属のジュニアドライバーのトレーニングのために活用されており、現役のワールドチャンピオンがシーズン中に旧車テストを行うのは異例だ。一体、何が目的だったのか?
蘭RacingNews365によるとレッドブルのチーフエンジニア、ポール・モナハンは、フェルスタッペンがグランドエフェクトカー時代の初代マシンと現行RB20とを直接比較できる機会を設けたかったのだと説明した。
「クルマの強みと弱みを評価しようとする際に彼が参照するのは現在のクルマだ。『以前はこうだった、ああだった』と言うが、実際にそうだったかどうかは分からない」
「なぜなら、同時に走らせたことがないからだ。そのため、実際にそのクルマを走らせることで、判断のためのリファレンスをマックスに与えようと思ったんだ」
フェルスタッペンは最近、特にモナコとカナダが顕著だが、縁石やバンプを乗り越える際のクルマの問題点を繰り返し訴えてきた。
今回のテストが問題の解消に直接的に役立つとは考えにくいが、過去のチャンピオンマシンに乗ることでフェルスタッペンは、今抱えている問題が以前からあったものなのかどうか、そしてそれが悪化したのか、あるいは改善したのかについて、明確に判断することが可能になる。
RB18でのテストを経て、RB20に対するフェルスタッペンのフィードバックが変わると思うか?と問われたモナハンは「フィードバック自体は変わらないだろう。彼は別のリファレンスを手にするだけだ」と語った。
「クルマの強みと弱みをどう捉えるかは当然、ライバルと比較することで判断されるが、その際に我々は彼やチェコのコメントを参照して良いか悪いかを判断する」
「他のチームよりも優れている、あるいは劣っているという評価が妥当なのかどうか、彼はどう認識しているのか? なぜそう言っているのか?をデータを見て確認する。そして我々は、それに対してどうすべきかを考えるのだ」