チームプリンシパル記者会見に出席するザク・ブラウン(マクラーレンCEO)、クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング チーム代表)、2022年10月22日(土) F1アメリカGP最終フリー走行(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルF1の「有害な環境」と更なる問題の可能性を警告するマクラーレンCEOブラウン

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「かなり有害な環境」が醸成されているとしてマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、レッドブル・レーシングは今後、スポンサーや人材の獲得において厳しい状況に追い込まれる可能性があるとの見解を示した。

3年連続のダブルタイトルを目指すレッドブルは年明け早々、女性従業員に対する不適切な行為があったとしてチーム代表のクリスチャン・ホーナーが内部調査を受ける事態に直面した。

ホーナーの続投はレッドブルを「引き裂く」可能性があるとマックス・フェルスタッペンの父ヨスが主張するなど、チームは混乱に陥ったが、内部調査は最終的に無罪との結論に至り、一連のドラマは収束したかに思われた。

しかしながら、グリッドで最も高い評価と尊敬を集める空力の鬼才、エイドリアン・ニューウェイが2025年の第1四半期を以てチームを去ることが発表され、2028年末の契約満了を前にフェルスタッペンが他チームに移籍するのではとの憶測を含め、グランドエフェクトカー時代の絶対王者の将来を懸念する声は更に高まることとなった。

ブラウンはマイアミで、一連の混乱を受けパドックにはレッドブルから離れようとする従業員たちの履歴書が飛び交っているとして、人材流出の「ドミノ倒し」は始まったばかりだとの考えを示した。

その後、第9戦カナダGPを経て公開されたポッドキャスト、ホット・パースートに出演したブラウンは、「レッドブルは今や、本当に有害な環境にある」と主張。チーム内の混乱は収束したように思われるがと尋ねられると「まだ続くだろう」と答えた。

ブラウンは「ニューウェイの退団は重大な出来事」であるとして、「履歴書が飛び交っていることは既に言及したが、それは常に起こるものだ。ただ今回は戸惑いのレベルがより高い」と語った。

「将来的にはスポンサーを巡る状況も難しくなるだろう。彼らは自分たちが何に関わっているのか、何に力を貸しているのかという点を検討している。これは厄介な状況だ」

「それにフェルスタッペンを巡るドラマもある。彼はレッドブルに留まるのか、それとも去るのか? 彼には契約があるが、ご覧の通り、彼の父親は本当に率直な人物だ」

レッドブルはカナダを経て現在、フェラーリに49ポイント差のチャンピオンシップ首位を走り、ジル・ビルヌーブ・サーキットで今季6勝目を挙げたフェルスタッペンはドライバーズ選手権で56ポイント差をつけて独走している。

それにも関わらずブラウンは、最も勢いがあり将来有望なのはマクラーレンとフェラーリだと考えている。

「レッドブルは信じられないような素晴らしいチームだが、かなり不安定で、ニューウェイが去るのは承知のとおりだ。決して無視できる存在ではないが、私の考えでは、彼らはかつてのような強固な基盤を築けていない」とブラウンは語る。

「今、最も将来の見通しと勢いに恵まれているチームはフェラーリとマクラーレンだ。ただ状況はすぐに変わる可能性もあるため、地に足をつけていかなければならない」