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F1レギュレーション解説「安全装置編」
F1レギュレーションの中から、安全装置に関連する主だったルールを厳選しその要点を以下にまとめる。
安全装置に関連する主なルール
- 火災に備えてコックピットとエンジンルームに消火装置を取り付けること。これらはドライバーがシートベルトを装着した状態で操作でき、かつマシンの主要電気回路が故障した場合や車が転倒した場合でも機能すること。
- コックピットの外から消火装置を作動させるためのスイッチを設けること。当該スイッチ部分は白い丸の中に赤い文字「E」で示すこと。
- ドライバーがマシンの主要電気回路を切断するためのサーキットブレーカをコックピットに設置すること。これは、ダッシュボード上にある白で縁取した青い三角形に赤色の点灯でマークすること。加えて、マーシャルが特製フックを使用して遠くから操作できるスイッチを、主要なロールバー上に設置すること。
- マシンは2つのリアビューミラーを有していること。ドライバーはコックピットに座った状態で、様々な距離・場所に設置された幾つもの番号ボードを特定することによって、FIAにミラーの有効性を示すこと。
- 2本の肩ひも、1本の腹部ストラップ、2本のストラップを脚の間に着用するシートベルトを装備すること
- 消火装置は内容物の95%を一定の圧力で10秒以上30秒以内に放出できる能力を有していること
- 悪天候時にマシンの存在を後続車両に知らせるためマシン後部に赤色のライトを装着すること
- 事故の際にドライバーの脚の怪我のリスクを最小化するため、コックピット上部と側面に隙間を設けること
- 事故の際コックピットからドライバーを容易に救出できるよう、シートベルトに固定された状態のドライバーをシートごと取り外せるようにすること。シートは救助隊員が持つ標準的なツールを使用して取り外せる様にするとともに、ボルト2本までで固定すること。
- 留め具が緩んでいた場合にもマシンからホイールが脱落しないよう車輪保持装置を有すること
- 事故解析のためにマシンにはハイスピードカメラを有すること
- ドライバーは、各イベント及びテストにおいて耳没入型の加速度計を装着すること
©Formula1-data.com / 消火装置スイッチの位置を示す"E"のマーク
手短に2022年のF1レギュレーションを知りたい方は「2022年F1ルール主要変更点のまとめ」を、より詳しくルールの全体像を知りたい方は「F1ルール完全網羅版」を参照されたい。