F1:ウォーマー不要タイヤ計画延期…エンジン均等化は「顕著な性能差あり」と結論、会合で広範な議論
2023年第3回目となるF1コミッションが第13戦ベルギーGPに先立つ7月28日(金)にスパ・フランコルシャンで行われ、ウォーマー不要スリックタイヤの導入計画が延期された。
FIAシングルシーター・ディレクターのニコラス・トンバジスとF1のステファノ・ドメニカリCEOが議長を務めた本会合の目玉は、2024年以降のタイヤブランケットの廃止とパワーユニット(PU)の性能均等化だった。
ウォーマー不要タイヤ計画延期
持続可能性およびコスト削減の追求の一環として検討されてきたウォーマー不要タイヤに関してはピレリが今年、大々的にテストを繰り返してきた。その結果は2024年の導入が可能である事を示すものであったが、投票を経て2025年まで更なる議論とテストを継続する事が決定された。
既に1万5千kmを超えるテストを消化しているとは言え、ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラが認めている通り、あらゆるコンディションで検証を終えたわけではなく、タイヤに対する入力が小さいコースでかつ、路面温度が低い、例えばラズベガスのような深夜に近いナイトレースでどうなるかは未知数だった。
この決定はブリヂストンのF1復帰の成否を大きく左右する可能性がある。
エンジン均等化は「顕著な性能差あり」と結論
ホンダやメルセデス、フェラーリに比べて15~25Kw (20~33馬力)ほど出力が劣っているとされるアルピーヌからの懸念の声を受け議論されたPUの性能調整に関しては「競合他社との間に顕著な性能差がある」と結論づけられた。
F1コミッションでは、この性能差を解消する方法についての議論が行われた。出席したPUサプライヤーは、この問題の検討と提案をPU諮問委員会に委任する事に同意した。
レース再開方法
FIAとF1ドライバーとの話し合いを経て、レース終了間際のスタンディング・リスタートに関する議論が行われた。現在の慣例では、コンディションに問題がなければ常にスタンディング・リスタートする事になっている。
会合ではレース中に一定のポイントを設け、それ以降の再開はローリングスタートで行うというコンセプトや、1レース中のスタンディングスタートの回数に制限を設けるべきかどうかが検討された。
ただこれらの提案が十分な支持を得ることはなく、この問題に関する最終的な決定は、再開時のコンディションに基づき常にレースディレクターの裁量に委ねられることが再確認された。
予算上限におけるインフラ投資
予算上限から除外するインフラ投資に関する議論では、設備投資レベルが異なるチーム間の不均衡解消について話し合いが行われた。
このトピックに関しては合意に至らず、今後数ヶ月に渡って金融諮問委員会での作業が継続される事になった。
2024年のプレシーズンテスト
2024年のプレシーズンテストが開幕戦の10日前までに欧州以外で実施される事が承認され、2月21日から23日にバーレーンで実施される事が決まった。