F1マイアミGPを前に行われたボート対決中に談笑する角田裕毅(アルファタウリ)とダニエル・リカルド(レッドブル)、2023年5月4日
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角田裕毅、リカルドの加入は自身にとって「プラス」と歓迎…その一方で”友人”デ・フリースとの別れ惜しむ

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ダニエル・リカルドを新たなチームメイトに迎える事について角田裕毅(アルファタウリ)は、車体開発の面においてチームにとって有益というだけでなく、自身にとってもプラスになると考えている。

ニック・デ・フリースの衝撃解雇を経て、HRTやトロ・ロッソ、レッドブル、ルノー、マクラーレンを通して培ったキャリア通算232戦という豊富な経験を持つリカルドはF1第12戦ハンガリーGPより古巣ファエンツァのチームにカムバックする。

スクーデリア・アルファタウリのレーシングスーツを着用したダニエル・リカルド、2023年7月copyright Scuderia AlphaTauri@Twitter

スクーデリア・アルファタウリのレーシングスーツを着用したダニエル・リカルド、2023年7月

ハンガロリンクでの週末に向けて角田裕毅は「経験豊富で優秀なドライバーをチームメイトに持つことは僕にとってプラスだと思います。きっと多くを学ぶことができるでしょうし、車体開発を前進させてくれるだろうとも期待しています」と語った。

「ダニエルと一緒に仕事をするのを楽しみにしています。彼の事をよく知っているとは言えませんが、今年の初めのマイアミでの撮影は楽しかったです」

デビューイヤーの2021年には既にレッドブルファミリーを離れていたため、角田裕毅がこれまでリカルドと交流する事は多くなかったが、今年、サード・ドライバーとしてレッドブルに復帰した事で、5月のマイアミGPの際にはレッドブルの企画でボート対決に臨む機会があった。

角田裕毅(アルファタウリ)を海に突き落とすダニエル・リカルド(レッドブル)、2023年5月4日にF1マイアミGPに先立ち行われたボート対決にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅(アルファタウリ)を海に突き落とすダニエル・リカルド(レッドブル)、2023年5月4日にF1マイアミGPに先立ち行われたボート対決にて

出会いは別れと表裏一体だ。リカルドの加入は角田裕毅にとって、かつて共にマックス・フェルスタッペンの自宅に遊びに行くなど交流を深めてきたデ・フリースとの別れを意味する。

角田裕毅は「ニックと一緒に戦った過去10回のレースでは楽しい時間を過ごす事ができました。僕としてはそう言いたいです」と述べ、デ・フリースとの別れを惜しんだ。

「彼からは色々学んだだけでなく、コース外でも楽しい時間を過ごしました。他のカテゴリーでの豊富な経験と知識を活かしてチームに素晴らしいフィードバックを与えてくれましたし、速さもありました。友人として僕は彼との時間を楽しみました」

スロットカーゲームを楽しむアルファタウリのニック・デ・フリースと角田裕毅、2023年6月29日F1オーストリアGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

スロットカーゲームを楽しむアルファタウリのニック・デ・フリースと角田裕毅、2023年6月29日F1オーストリアGP

7月23日のハンガリーGPを皮切りに、F1サーカスはサマーブレイク前の2連戦に突入する。開幕10戦を終えてコンストラクターズ選手権最下位に沈むアルファタウリは低速のハンガロリンクで、シルバーストンに続くアップグレードの第二弾を投入する。

「今週末は前戦に続いて更なるアップグレードを持ち込む予定です。ブダペストは過去2戦とはコース特性が全く異なります。僕らのクルマは高速コーナーよりも低速コーナーに合うはずです」と角田裕毅は語る。

「ハンガロリンクはテクニカルで挑戦のしがいがあって楽しく、僕が好きなコースです。2021年のF1での初めてのレースは本当に混沌としたものになりました。16番手からスタートして6位フィニッシュだったので良い思い出ですね!」

「僕は楽観的な性格で、どんなレースであっても何が起こるか分からない新しいチャンスとして捉えています」

「チームとして僕らは、前進し、クルマをできるだけ開発していく事に本当に意欲的です。個人的には過去数レース、特にシルバーストンで完全に気持ちをリセットできましたし、前向きな気持ちで臨むつもりです」

アルファタウリAT04をドライブする角田裕毅、2023年7月9日F1イギリスGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリAT04をドライブする角田裕毅、2023年7月9日F1イギリスGP決勝レース


ハンガリーGPの舞台となるのは1周4381m、フェルナンド・アロンソが「巨大なカートコース」と形容するハンガロリンクだ。2022年のハンガリーGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が予選10番手からのシーズン8勝目を飾った。

F1ハンガリーGPは日本時間7月21日(金)20時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1ハンガリーGP特集