ピレリ製F1タイヤの表面詳細、2023年6月29日F1オーストリアGPにて
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリ、ATA初導入のF1ハンガリーでアグレッシブなタイヤ割当

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F1公式タイヤサプライヤーのピレリは代替タイヤ配分方式(ATA)が初採用されるF1第12戦ハンガリーGPに、昨年よりも1段階柔らかいC3~C5コンパウンドを持ち込む。第13戦ベルギーGPでは昨年と同じC2~C4を供給する。

ATA(Alternative Tyre Allocation)は当初、エミリア・ロマーニャGPでの導入が予定されていたが、大規模洪水被害を受け中止となったため、ハンガロリンクで初めて採用される事になる。

ハンガロリンクのターン12から見るターン11側、2022年7月28日F1ハンガリーGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

ハンガロリンクのターン12から見るターン11側、2022年7月28日F1ハンガリーGP

ATAが採用される週末では、3ラウンドの予選セッションのそれぞれで、以下の指定コンパウンドを装着しなければならない。

  • 予選Q1:ハードタイヤのみ
  • 予選Q2:ミディアムタイヤのみ
  • 予選Q3:ソフトタイヤのみ

この試みは週末全体に用意されるタイヤの数を削減し、持続可能性を高める事を目的としたもので、ATAが採用される週末は13セットから11セットへと1台あたりに供給されるスリックタイヤの数が減らされる。

  • ハードタイヤ…3セット
  • ミディアムタイヤ…4セット
  • ソフトタイヤ…4セット

雨用タイヤの割り当て数に関しては変更なく、通常の週末と同じようにインターミディエイトタイヤが4セット、フルウェット・タイヤが3セットが供給される。

予選と決勝で使用できるスリックタイヤは、温存義務があるハードとミディアムを少なくとも1セット含めた計7セットとなる。

供給される全11セットの中の残りの4セットはタイヤ返却義務がある。1セットはFP1終了後に、1セットはFP2終了後に、そして2セットはFP3終了後に返却しなければならない。

2023年F1タイヤ供給
Rd. グランプリ C0 C1 C2 C3 C4 C5
1 バーレーンGP H M S
2 サウジアラビアGP H M S
3 オーストラリアGP H M S
4 アゼルバイジャンGP H M S
5 マイアミGP H M S
6 エミリア・ロマーニャGP H M S
7 モナコGP H M S
8 スペインGP H M S
9 カナダGP H M S
10 オーストリアGP H M S
11 イギリスGP H M S
12 ハンガリーGP H M S
13 ベルギーGP H M S

今季は新たに「C0」が加わり、製造されるコンパウンドが全6種類に増えた。接頭辞の「C」に続く数字が小さいほど硬いものとなる。昨年まで「C1」と呼ばれていたコンパウンドは「C0」へと改称された。今季の「C1」は従来の「C1」より柔らかい新型コンパウンドだ。

サーキットの路面や気温などの特性・気象条件を考慮の上、ピレリは6種類のラインナップから週末に持ち込む3種類のドライタイヤを都度、決定する。硬い方から順に「ソフト」「ミディアム」「ハード」の名称が与えられる。

トレッド面に溝の入ったレインタイヤを含めて全5種類が持ち込まれる。ひと目見て識別できるよう、以下の様にサイドウォールに色ペイントが施される。

  • ソフト:赤色
  • ミディアム:黄色
  • ハード:白色
  • インターミディエイト:緑色
  • フルウェット:青色

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