フェルスタッペン、流石のポールも不安材料…決勝に向けてはアストンの優勝除外せず
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2023年シーズン最初のポールシッターとして記録されたが、バーレーンGPの週末を通して今後に向けた不安材料を抱える事となった。
3連覇を目指す現役チャンピオンは3月4日の公式予選、全セクターを全体ベストで繋ぐ1分29秒708という途方もないタイムを叩き出した。ポーパシング低減を目的とする技術規定の改定に伴い低下が予想されていたものの、昨年のポールタイムを0.85秒も塗り替えた。
フェルスタッペンは「嬉しい驚き」だとして、ポールポジションの獲得は予想外だったと明かした。それは週末を通して「快適なマシンバランス」を見いだせず、まとめ上げるのに必死だったからだという。
テストが好調だっただけに、FP1でクルマにクルマに乗り込んだ際は「大きな衝撃」を受けたとフェルスタッペンは説明する。
「予選までの週末全体が本当に大変だったから、殊更、嬉しいよ。テストの時のような快適なバランスが見いだせず、クルマをまとめ上げるのに苦労していたんだ」
「Q1になってようやく、少し良くなったように感じたけど、それでもまだ完璧じゃなかった。だからQ3でこういうラップが走れて本当にハッピーなんだ」
一体、どの程度、クルマに変更を加えたのか? フェルスタッペンは「たくさんだよ」と説明した。
「左に振ったり右に振ったり、真ん中に戻したりして、なんとか少し妥協点を見つける事ができた。こんなに大掛かりに変更をするのは少し珍しい」
フェルスタッペンによれば、直近のライバルであるスクーデリア・フェラーリにコンマ3秒差をつけたにも関わらず、RB19は今も「完璧」ではないという。
幸いにもバーレーン予選では結果を損ねる事はなかったが、今後も再発、あるいは似たようなトラブルに見舞われる可能性は否定できない。何しろ一連の問題の原因は、まだ特定できていないのだ。
フェルスタッペンは「次のレースに向けて、ドライビングという点においても、テストと週末でなぜこんなにも違ったのかを分析していく必要がある」と語る。
「週末に持ち込まれた全てのパーツを洗いざらい分析していかなきゃならない。たとえ(テストの時と)同じであっても新しくても、次の週末に向けて兎に角、全てを確認していく必要がある」
日曜のレースでは僚友セルジオ・ペレスと共にフロントロウに並ぶ。2列目にはフェラーリの2台が控えるが、フェルスタッペンは5番グリッドのフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)のレースペースを軽視していない。
「間違いなく彼らはかなりの競争力がありそうだね。今年だけでなく、昨年もそうだったと思うけど」とフェルスタッペンは語る。
「去年の彼らのクルマはそれほど素晴らしいものではなかったかもしれないけど、レースペースという点では、ライバルと比べて一貫してかなり速かったと思う」
「だから今年のクルマもそれを受け継いでいるだろうし、断定する事はできないけど、レースでは間違いなく競争力を発揮してくるんじゃないかと思ってる」
決勝ではセーフティカーの導入や接触事故、戦略、テクニカルトラブルなど、様々な変数がリザルトを左右することになる。
フェルスタッペンは「もちろん、最速のクルマじゃなくても勝つことは可能だ」と述べ、アストンマーチンのサプライズ優勝の可能性を除外しなかった。
2023年F1バーレーンGP予選ではマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。2番手にセルジオ・ペレスが続き、レッドブルがフロントロウを独占する結果となった。
決勝レースは日本時間3月5日(日)24時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。日本ではDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。