2026年F1エンジン巡るマクラーレンの来訪「昼飯を食いに来たのかと…」交渉について語るレッドブル
オフシーズン中の話題の一つは、2026年以降のF1パワーユニット(PU)契約を巡ってマクラーレンのザク・ブラウンCEOがレッドブル・パワートレインズ(RBPT)を訪問したことだった。
新車発表ラッシュを前にした先月初旬、ブラウンが英国ミルトンキーンズにあるRBPTのファクトリーを訪れていた事が明らかとなった。両者は提携の可能性について話し合いの場を持った。
ホンダの撤退に伴い、新たなPUを確保する必要性に迫られたレッドブルは、多額の資金を投じてRBPTを設立。独自エンジン開発のためのプロジェクトをスタートさせた。ちょうど2年前のことだ。
レッドブルは姉妹チームのアルファタウリと共に、2025年末までHRCを通してホンダ製PUを使い続ける事が決定しているが、電動化比率が引き上げられる次世代PU導入の2026年以降はフォードと提携して自社製を搭載する。
ブラウンの訪問についてレッドブルのクリスチャン・ホーナーはF1バーレーンGPの初日会見の中で「ランチを食べに来たのかと思ったよ!」と冗談を飛ばした上で、他のチームが自分たちに関心を示すのは「当然」だと語った。
「2026年のパワーユニット・メーカーとして、パワートレイン供給の可能性についての話し合いの場が持たれるのは必然だし、潜在的な顧客と話をするのは当然の話だ」
ただ、カスタマーチームへの供給は「金にならない。儲からないビジネスなんだ」とも述べ、積極的に供給先を開拓する気がない事をうかがわせた。
2026年~30年のPUサプライヤーには現在、6社が登録を済ませているが、7社目が加わる可能性もある。FIAがアンドレッティを含む新規チームを承認しない限り、理論的には10チームに対して7つのPUメーカーが存在する状況も生まれ得る。
隣に座っていたマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、2018年より搭載してきたメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)製ユニットからの切り替えを検討している事を認めた。
ステラは「我々はHPPと強固なパートナーシップを結んでいる」とする一方、「先を見据えて何が可能かを理解したいと思うのは当然だ」と語った。
「だから、それ(RBPTとの話し合いは)は自然なことだと思う。あまり驚くことでもないだろう」