犬猿のレッドブル代表「ホーナーの事を話すのは1秒足りとて私の人生の中で無駄な時間」とウォルフ
犬猿の仲、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーについてメルセデスのトト・ウォルフ代表は「ホーナーの事を話すのは1秒足りとて私の人生の中で無駄な時間」だと主張した。
英日刊紙「The Times」とのインタビューの中で、ホーナーとのライバル関係についてどう思うかと尋ねられたウォルフは「彼の頭の中には私が家賃フリーで住んでいるんだろう。あいつは(私の事で)頭がいっぱいなんだ」と答えた。
「1秒足りとてホーナーの事を話すのは私の人生の中で無駄な時間だ」
そんなホーナーと渡り合っていかなければならないにも関わらず、ウォルフはF1に関与し続ける事に喜びを見出している。
「私はF1で素晴らしい瞬間を手にしてきた」とウォルフは語る。
「チームが好きだし、挑戦することも好きだ。でも本当に愛しているのは家族だ。僕には21歳、18歳、5歳の3人の子供がいる。家族と共にいられる事が私にとっての最大の楽しみなんだ」
「そして妻(スージー・ウォルフ)という完璧なパートナーを見つけた。妻は私よりもクルマを速く走らせることができるが、それだけが取り柄というわけじゃない。完全なソウルメイトなんだ」
ウォルフ家は現在、モナコに住んでいる。イギリスを離れたのは治安の問題と、息子をインターナショナルスクールに入れたかっただめだという。ただしトトは仕事の関係上、平日は英国ブラックリーのファクトリー近郊に住み、週末になると帰宅する生活だ。
互いの事を聞かれれば悪態ばかりが飛び出す2人の揶揄合戦には枚挙にいとまがない。
フレキシブルウイングに端を発するウォルフのホーナーに対する「カメラに映りたがる、ちょっとしたお喋り」発言や、これに対するホーナーの「トトが苛立つほどワクワクしてくる」発言、つい先月はオートスポーツ・アワードの席でホーナーが、自身の口からルーキー・オブ・ザ・イヤーを発表する際に「今年の受賞者はトトだ」とからかった。
2人が公然と互いを揶揄し合うようになったのは、ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンが史上稀に見る激戦を繰り広げた2021年シーズンのことだった。
関係が悪化した原因についてホーナーは一昨年のカタールで「個人的には厳しい競争が原因だと思っているし、それがF1ってものでもあると思う。対戦相手と親友になる必要はない。そんな事できるか? 私に言わせれば、色んな面で不誠実だと思う。互いに競い合っている時に、見せかけだけの態度を取るのはね」と指摘した。
だが、直接的なライバル関係ではなくなったその翌年も、2人はポーパシング抑制とフレキシブルフロア制限のための技術指令(TD)や予算上限を巡って論争を繰り広げた。
ウォルフについてホーナーは昨夏、コンストラクターズ選手権8連覇を含むF1で成し遂げた手腕を「驚異的な仕事」と高く評価しつつも、からかい甲斐のある男だと説明した。
「彼は僕とは全く異なる、つまりかなり財務的なバックグラウンドを持ってこのスポーツに入ってきた。ご覧の通り、彼をからかうのは本当に容易で、時にはそれが彼に影響を与える事もある」
「彼が激しい競争に置かれたのはもちろん昨年が初めてで、(そういう時に)どういう反応を見せるのかはいつだって興味深いものなんだ」
「ヘッドフォンを壊したりする姿を見ると、こたえた事が分かるというものだ」