ホンダ、PUサプライヤー登録完了で2026年F1復帰の可能性…レッドブルとは組まず?
次世代パワーユニット(PU)が導入される2026年のFIA-F1世界選手権に向けて、HRC(ホンダ・レーシング)がPUサプライヤーとして国際自動車連盟(FIA)に登録を済ませた事が分かった。復帰の可能性が正式に浮上した。
F1は2026年シーズンより次世代PUを導入する。エネルギー回生システム(ERS)による出力は現行の約3倍へと引き上げられ、更には100%持続可能な燃料が導入される。4年後のF1は電動化によりカーボンニュートラルを推進するホンダにとって魅力的な要素を備えている。
あくまでもエントリーを完了させたということのみで、現時点ではまだ、正式な復帰は発表されておらず確約もない。F1ジャーナリストのディーター・レンケンは先月、サプライヤー登録期限が迫る中、ホンダが「形式的なエントリー」を行う可能性があると指摘していた。
ホンダはHRCを通して現在も「技術支援」という名目でレッドブル・レーシング及びスクーデリア・アルファタウリの2チームに事実上、PUを供給し続けており、その意味において”復帰”という表現は適当とは言えないかもしれない。
ただ、カーボンフリー技術の中核となる電動化研究開発にリソースを振り向けるためとの理由の下、マックス・フェルスタッペンが初の世界タイトルを獲得した2021年末を以てF1での活動を正式に終了させている。
レッドブル・パワートレインズのバッジがつけられたホンダ製PUは今季もレッドブルを強力に後押しした。フェルスタッペンはドライバーズチャンピオン2連覇を達成し、レッドブルは9年ぶりのコンストラクター選手権制覇を飾った。社内で本格復帰を望む声が高まっても不思議はない。
当初はレッドブル・パワートレインズが開発製造するICE(内燃エンジン)にハイブリッド技術を供与する形でのコラボレーションが噂されていたが、PUサプライヤー登録という事実はレッドブルとは組まない単独での最高峰クラス復帰が少なからず念頭にある事をうかがわせる。
実際レッドブルに関してはフォードとのパートナーシップを予想する声も出ている。
レッドブルでないとするならばホンダは一体どのチームと手を組むのだろうか。選択肢はさほど多くない。ウィリアムズかマクラーレンか、それとも独自PU製造を断念したアストンマーチン、あるいはアルファタウリか。
2026年参戦のためのエントリー締切は延期を経て11月15日に設定されたものと見られているが、メルセデスのトト・ウォルフ代表によると「正式な期限」なるものは存在せず、アブダビGPの予選が行われた11月19日の時点でアルピーヌのローラン・ロッシCEOはエントリーを済ませていない事を明らかにしており、期限はまだ締め切られていない可能性がある。