遜色ないペースで詰め寄りながらもペレスがハミルトンに仕掛けられなかった理由
セルジオ・ペレス(レッドブル)は30周近くに渡って背後に詰め寄りながらもルイス・ハミルトン(メルセデス)に仕掛ける事はできず、複雑な心境と共に母国F1メキシコGPの3位表彰台に上がった。
ペレスは4番グリッドから好スタートを切り、1周目にジョージ・ラッセル(メルセデス)を抜いて3番手に浮上した。その後、2番手を行くハミルトンを交わすべく、アンダーカットを狙って23周目にソフトからミディアムへとタイヤに履き替えた。
ところが左リアタイヤの交換に手間取り5秒の停止時間を要した事で、思いも寄らずフェラーリ勢の後方でコースに戻る事となった。
スローストップがなければペレスは、少なくともルクレールの前ではコースに復帰できていたことだろう。
ペレスが6周をかけて2台の跳馬をようやく攻略すると同時にハミルトンはピットイン。ハードタイヤに履き替え、ペレスの2秒前でコースに戻った。
2年連続でフォロ・ソルの壮大なポディウムに上がったペレスは「(表彰台に立つのは)いつだって最高だよ」と喜ぶ一方で「本来ならもう少し上に行けたと思う」と語った。
「2位でフィニッシュできるかもって思ってたから、正直なところ、少しガッカリだ」
ペレスは、ピットストップの遅れがなければ2位は「間違いなかった」との考えを示して「大チャンスだったんだけどね。ハードタイヤを履いたメルセデスはウォームアップが上手くいかず、かなりスライドしていたから」と続けた。
ピットでタイムを失ったペレスはコース上でけりをつけるべく、第2スティントを通してハミルトンの背中を追って好ペースを刻み、30周以上に渡って後方1~2秒の距離を保ったが、一度も仕掛けるには至らず、2.9秒差の3位でチェッカーを受けた
「できる事は殆どなかった」とペレスはその理由を説明した。
「接近する度にブレーキ、エンジン、タイヤがオーバーヒートしてしまって、攻撃するチャンスが殆どなかったんだ」
「何度かERS(回生エネルギー)を使ったけど、それ以上のことはできなかった」
高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットは空気が約22%薄いため、常に冷却が課題となる。
A podium like no other! 🙌@Heineken #MexicoGP pic.twitter.com/U1ryEJVqhm
— Formula 1 (@F1) October 30, 2022
ドライバーズランキングではシャルル・ルクレール(フェラーリ)から2位の座を奪還。残り2戦で5ポイント差をつけたが、ペレスはチャンピオンシップより勝利に重点を置いている。
「今はただ、勝利を懸けて次の2戦を戦いたいと思ってるだけだ。失うものは何もないし、すべてを試してみるつもりだ」とペレス。
予選では電気系統のトラブルに見舞われた事でダッシュが失われ、決勝ではピットストップによるタイムロスがあった。
ペレスは「今週末はあまりにも多くのトラブルがあって本当に大変だった。キッチリまとめ上げないとね」と付け加えた。
10月30日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた2022年F1第20戦メキシコGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季14勝目を挙げてシーズン最多勝利記録を更新した。
インテルラゴス・サーキットを舞台とする次戦サンパウロ(ブラジル)GPは11月11日のフリー走行1で幕を開ける。