フェラーリ代表ビノット、角田裕毅を津波に例えた件を謝罪「悪い冗談だった」
スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表はF1オランダGPでリタイヤした角田裕毅(アルファタウリ)のアクシデントの多さに言及して「Tsunami(津波)」と例えた事を謝罪した。
角田裕毅はザントフォールトでのレースでメカニカルトラブルに見舞われリタイヤを余儀なくされた。これを機に、レース展開を動かすバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。
当初はタイヤの取り付けミスが疑われたが、最終的にディファレンシャルのトラブルであった事が明らかにされた。ただ、チームが即座に原因を特定できなかったため、角田裕毅が実際にクルマを降りるまでには奇妙な経緯を経た。
一件を受けフェラーリの指揮官はレース後に、伊紙ガゼッタ・デッロ・スポルトとのインタビューの中で角田裕毅を「Tsunami」と表現した。
2011年の東日本大震災では津波や火災などによって東北地方を中心に1万8000人以上の死者・行方不明者が発生。福島第一原子力発電所におけるメルトダウンは今も大きな傷跡を残し続けており、SNS上でビノットに対する批判が巻き起こった。
F1イタリアGP予選を前にモンツァで行われたFIA会見の中でビノットは「あの言葉を使ったのは間違いだった。謝罪しなければならない。悪意はなかった。私は被害者の方々とも親密だし、謝罪の必要を実感している」と語った。
「ツノダは素晴らしいドライバーだと思っている。素晴らしい男だしね。彼とは良い関係を築いていて、単に冗談のつもりでそう呼んだだけだったのだが、あれは悪い冗談だった」
オランダでの角田裕毅のリタイヤに関しては、シニアチーム所属のマックス・フェルスタッペンを勝たせるためだとの陰謀論が飛び交い、アルファタウリが厳しい言葉で避難するに至った。