フェルスタッペンがポール!メルセデス勢の相次ぐ事故で赤旗…角田裕毅は及ばず / F1オーストリアGP《予選》結果とダイジェスト
2022年シーズンのFIA-F1世界選手権11戦オーストリアGPの公式予選が7月8日(金)にレッドブル・リンクで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が1分4秒984をマーク。今季3回目のポールポジションを獲得した。
メルセデス勢が相次いでクラッシュしたため、最終Q3は立て続けに赤旗が振られる展開となった。最終計測ではまず、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が暫定ポールに立った。フェルスタッペンは第2セクターまで自己ベストに届かなかったものの、第3セクターで巻き返し、1000分の29秒差でルクレールを2番手に退けた。
3番手にはカルロス・サインツが1000分の82秒遅れで、4番手にはセルジオ・ペレスがコンマ4秒遅れでそれぞれ続き、スプリントレースのグリッドを決する1ラップバトルはレッドブルとフェラーリの一騎打ちとなった。
だが、ペレスに関しては、Q2最終ラップのターン8でトラック・リミットに違反した疑いがある事がQ3開始直前になって判明。予選後に審議を行ったスチュワードは、ペレスのQ2でのベストラップとQ3での全ラップタイムを抹消とし、13番手への降格を決定した。
シルバーアローは2台揃ってQ3に駒を進めたものの、まずはルイス・ハミルトンがターン7でクラッシュ。赤旗中断の後にセッションが再開されると、その直後に今度はジョージ・ラッセルが最終コーナーでリアを失いタイヤバリアに衝突した。ラッセルは4番手、ハミルトンは9番手という結果となった。
中団勢としてはハースとアルピーヌが揃ってダブルQ3を果たした。5番手のエステバン・オコンと8番手のフェルナンド・アロンソの間にハースの2台が挟まれる格好となり、ケビン・マグヌッセンは6番手、ミック・シューマッハは7番手を刻んだ。
アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが奮闘するも、Q3に対して1000分の9秒及ばず、11番手でヘルメットを脱いだが、ペレスの降格に伴い10番手に繰り上がった。角田裕毅はQ2の最終計測の際にターン1でコース外に飛び出し14番手で敗退した。
予選Q1:アストンマーチンW敗退
FP3に引き続き現地シュピールベルクは晴れ、スプリントレースのグリッドを決する争いは気温19.3℃、路面37.6℃、湿度34%、気圧946hPaのドライコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだ。
フェルスタッペンは1回目のラップでトップに躍り出たものの、最終ターン10でトラックリミットとなりタイムが抹消された。ただ2回目のランで3番手を刻み、フェラーリ勢に続くトップ3でQ2へと駒を進めた。
角田裕毅は12番手で突破を果たした。ガスリーは15番手ギリギリでQ1敗退を逃れた。
FP1でリアウイングの振動問題に悩まされたダニエル・リカルド(マクラーレン)は、1000分の24秒届かず16番手で涙を飲んだ。
セバスチャン・ベッテルはトラック・リミットにより最終ラップが抹消され20番手最下位に沈んだ。僚友ランス・ストロールも17番手。前戦で導入されたアストンマーチンのアップグレードは期待されたような結果をもたらしていない。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:05.419 | 8 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:05.660 | + 0.241 | 8 |
3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:05.852 | + 0.433 | 6 |
4 | アロンソ | アルピーヌ | 1:06.016 | + 0.597 | 8 |
5 | ハミルトン | メルセデス | 1:06.079 | + 0.660 | 8 |
6 | ペレス | レッドブル | 1:06.143 | + 0.724 | 9 |
7 | ラッセル | メルセデス | 1:06.235 | + 0.816 | 8 |
8 | ノリス | マクラーレン | 1:06.330 | + 0.911 | 11 |
9 | マグヌッセン | ハース | 1:06.366 | + 0.947 | 9 |
10 | シューマッハ | ハース | 1:06.405 | + 0.986 | 9 |
11 | ボッタス | アルファロメオ | 1:06.442 | + 1.023 | 8 |
12 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:06.463 | + 1.044 | 11 |
13 | オコン | アルピーヌ | 1:06.468 | + 1.049 | 10 |
14 | アルボン | ウィリアムズ | 1:06.516 | + 1.097 | 9 |
15 | ガスリー | アルファタウリ | 1:06.589 | + 1.170 | 11 |
16 | リカルド | マクラーレン | 1:06.613 | + 1.194 | 10 |
17 | ストロール | アストンマーチン | 1:06.847 | + 1.428 | 12 |
18 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:06.901 | + 1.482 | 9 |
19 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:07.003 | + 1.584 | 9 |
20 | ベッテル | アストンマーチン | 1:07.083 | + 1.664 | 12 |
予選Q2:ペレスに域外走行疑惑
ペレスはターン9でトラックリミットが取られタイム抹消となったが、最終ラップを何とかまとめて6番手でQ3へと駒を進めた。ただチェッカー後にトラック・リミットの疑いが浮上し、予選後の審議で13番手に降格された。
ノックアウト・ゾーンに沈んだ角田裕毅は自己ベスト更新に向けて最終計測へと向かったものの、準備ラップで問題が発生。タイヤの熱入れが不十分な状態でターン1へと向かい、コース外に飛び出して14番手で敗退した。ガスリーは自己ベストを塗り替えたものの、10番手シューマッハに1000分の9秒及ばず11番手でヘルメットを脱いだ。
メカニカルトラブルでFP1のほぼ半分を失ったランド・ノリス(マクラーレン)は「ブレーキを踏むのが怖い」と不満を訴えるなど、自信を以てドライブできない状況のまま15番手で敗退した。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:05.287 | 18 | |
2 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:05.374 | + 0.087 | 12 |
3 | ハミルトン | メルセデス | 1:05.475 | + 0.188 | 16 |
4 | サインツ | フェラーリ | 1:05.576 | + 0.289 | 18 |
5 | ラッセル | メルセデス | 1:05.697 | + 0.410 | 17 |
6 | ペレス | レッドブル | 1:05.805 | + 0.518 | 18 |
7 | マグヌッセン | ハース | 1:05.894 | + 0.607 | 15 |
8 | オコン | アルピーヌ | 1:05.993 | + 0.706 | 20 |
9 | アロンソ | アルピーヌ | 1:06.082 | + 0.795 | 14 |
10 | シューマッハ | ハース | 1:06.151 | + 0.864 | 15 |
11 | ガスリー | アルファタウリ | 1:06.160 | + 0.873 | 20 |
12 | アルボン | ウィリアムズ | 1:06.230 | + 0.943 | 15 |
13 | ボッタス | アルファロメオ | 1:06.319 | + 1.032 | 14 |
14 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:06.851 | + 1.564 | 19 |
15 | ノリス | マクラーレン | 1:25.847 | + 20.560 | 19 |
予選Q3:メルセデスが立て続けにクラッシュ
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、ハミルトンがターン7でクラッシュ。レッドフラッグが振られた。時計の針は5分29秒で止められた。
車両回収を経てセッションが再開されると、今度はチームメイトのラッセルが最終コーナーでリアを失いクラッシュ。再び赤旗が振られた。
And now Russell is into the barriers – he's ok
The Mercedes driver spins off at Turn 10
🚩 RED FLAG 🚩#AustrianGP #F1 pic.twitter.com/pJxbMuRiBb
— Formula 1 (@F1) July 8, 2022
クルマを降りたラッセルはその後、コースを横切ってピットへと歩いて戻った。許可を得ずにコース内に立ち入ったとして、スチュワードは警告処分とした。
残り2分31秒でセッションが再開されると、ルクレールが自己ベストを塗り替え暫定ポールに躍り出た。ただフェルスタッペンがこれを僅かに上回るラップを決めた。
2022年F1第11戦オーストリアGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:05.852 | 1:05.374 | 1:04.984 | 19 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:05.419 | 1:05.287 | 1:05.013 | 26 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:05.660 | 1:05.576 | 1:05.066 | 26 |
13 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:06.143 | 1:06.458 | 24 | |
4 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:06.235 | 1:05.697 | 1:05.431 | 24 |
5 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:06.468 | 1:05.993 | 1:05.726 | 27 |
6 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:06.366 | 1:05.894 | 1:05.879 | 22 |
7 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:06.405 | 1:06.151 | 1:06.011 | 22 |
8 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:06.016 | 1:06.082 | 1:06.103 | 22 |
9 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:06.079 | 1:05.475 | 1:13.151 | 20 |
10 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:06.589 | 1:06.160 | 20 | |
11 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:06.516 | 1:06.230 | 15 | |
12 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:06.442 | 1:06.319 | 14 | |
14 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:06.463 | 1:06.851 | 19 | |
15 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:06.330 | 1:25.847 | 19 | |
16 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:06.613 | 10 | ||
17 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:06.847 | 12 | ||
18 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:06.901 | 9 | ||
19 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:07.003 | 9 | ||
20 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:07.083 | 12 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 19.3℃ |
路面温度 | 37.6℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1オーストリアGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | レッドブル・リンク |
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設立 | 1969年 |
全長 | 4318m |
コーナー数 | 10 |
周回方向 | 時計回り |