フェルスタッペン、メルセデス代表から祝辞を受けたと明かし、破れてなお好敵手を祝したハミルトンを「偉大」と称す
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はF1アブダビGPで劇的なF1ワールドチャンピオンを獲得した後、ライバルチームのメルセデス、トト・ウォルフ代表からお祝いのテキストメッセージを受け取った事を明かした。
レースは誰もがルイス・ハミルトンの歴史的8度目のタイトルを予想する展開であったが、最終盤のセーフティーカー(SC)導入によってフェルスタッペンがファイナルラップでディフェンディング王者をオーバーテイク。大どんでん返しの結末を迎えた。
メルセデスは悪夢のチェッカーフラッグ後、SC導入後のレースコントロールの一連の判断並びにフェルスタッペンのドライビングを巡って2件の異議申し立てを申請。フェルスタッペンは初タイトル確定までの4時間の間、緊張を強いられた。
SC解除の際にハミルトンとフェルスタッペンとの間にいた5台の周回遅れのマシンに対してのみ、SCを追い抜いて隊列後方に続くようにとの指示が飛んだ事に激怒したウォルフは、ハミルトンがバックストレートでフェルスタッペンに追い抜かれると「マイケル、これはダメだ、違う、やめさせろ!こんなの全く間違っている!マイケル、あれは何なんだだ!」と叫び、怒りの矛先をFIAレースディレクターを務めるマイケル・マシに向けた。
だが緊迫した状況の後、メルセデスの指揮官はフェルスタッペンに祝辞を送ったようだ。フェルスタッペンはSky Sportsとのインタビューの中で「トトは僕におめでとうってメールを送ってくれた。優勝するに相応しいってね」と明かした。
「両チームともに最終ラップの件で感情が高ぶっていたから、彼にそう言って貰えて本当に良かった」
フェルスタッペンは今年、9ヶ月間に渡る全22戦を通してハミルトンと壮絶なバトルを繰り広げ続けてきた。それは時に相討ちや激しい表現での非難や批判に及んだが、それでもなおライバルを偉大なスポーツマンと認めている。
7度のF1ワールドチャンピオンは悲劇的な敗北を喫してなお、レース後すぐに潔くフェルスタッペンを祝福した。フェルスタッペンは「ルイスは偉大なポーツマンだよ」と語った。
「もちろん、彼は既に7つのタイトルを持っているから、それが少しは慰めになっていると思うけど。もし逆の立場だったら、もう少しばかり苦しいかもしれない。だって僕は一つもタイトルを持っていないからね」
「本当に辛かったに違いないけど、それでも彼は僕のところに来て祝福してくれた。お互いにどれだけ相手をリスペクトしているかが良く分かると思う」
「今シーズン、僕たちはお互いに限界まで追い込んできた。だから彼とのレースは本当に楽しかった」
「もちろん、お互いに色んな事があったけど、チャンピオン争いにはそういうのがつきものだと思ってる。シーズンが終わった今、僕らはもう少しリラックスできると思うよ。本当に激しい闘いだった」
ハミルトンは失意のチェッカーフラッグを受けた後、グリッド上でマクラーレン時代のチームメイト、ジェンソン・バトンのインタビューに応えて次のように語った。
「まずはマックスと彼のチームを心から祝福したい」
「僕らは今年、素晴らしい仕事をしたと思ってる。僕のチームも、ファクトリーのみんなも、そしてここにいるみんなも、1年を通して一生懸命に働いてくれた。これまでで一番過酷なシーズンだったと思う」
「彼らの事を誇りに思うし、そんな彼らと一緒に旅ができた事に感謝してる。僕らは全力を尽くした。何より大事なのはそこだと思ってる」