夕暮れ時のヤス・マリーナ・サーキットを走行するメルセデスのルイス・ハミルトン、2021年12月11日F1アブダビGP予選にて
Courtesy Of Daimler AG

メルセデス、F1アブダビGPでの抗議却下の裁定を不服として控訴の意思を表明

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レース最終盤のセーフティーカー(SC)導入に関わる異議申し立てがF1アブダビGPのスチュワードによって却下された事を受け、メルセデスF1チームはこれを不服として控訴の意思を表明した。

メルセデスが控訴の意思を表明したのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がセーフティーカー(SC)導入下においてルイス・ハミルトンを追い抜いたとする一件への裁定ではなく、SC撤収に関する手続きを定めたF1競技規約第48条12項違反への抗議に対する裁定の方だ。

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控訴の意思を表明した事でメルセデスは96時間の猶予を得る事となり、今後、期限内に実際に正式に控訴するかどうかを検討する事になる。

レース最終盤の53周目、ミック・シューマッハとサイド・バイ・サイドを繰り広げたニコラス・ラティフィがターン14の壁に激突した事でSCが導入された。

レース再開の直前にレースコントロールは、ハミルトンとフェルスタッペンの間にいる周回遅れの5台に対してSCを追い抜く許可を出した。一方でフェルスタッペンの後方にいるマシンには追い抜きの許可が与えられなかった。

スチュワードは第48条12項が定める状況が完全に満たされていなかった可能性を認めつつも、同時に、コースクラークの判断により「Safety Car in this lap」のメッセージが送信された後、セーフティーカーの撤収を義務づける第48.13条の規定が優先されると指摘した。

メルセデスが、ファイナルラップの1周前の終わりの時点での順位をリザルトとするよう求めた事についてスチュワードは、この要求は事実上、レースを遡って短縮するものであるとして「適切ではない」と判断。異議申し立てを却下した。

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