ホンダパワーが一時1-4を占拠、スプリント予選タイヤはミディアム?それとも… / F1イギリスGP《FP2》結果とダイジェスト
史上初のスプリント予選レースを前に、パフォーマンスランを一切行わないという近年のF1にない非常に特殊なドライプラクティスが英国現地現地7月17日に行われた。タイムシートの並びに大きな意味はない。
土曜のシルバーストン・サーキットは初日に引き続き晴天に恵まれ、2021 F1第10戦イギリスGP土曜2回目のフリー走行は気温24℃、路面42℃ドライコンディションでスタート。全車精力的に周回を重ねた。
一時ホンダパワーが1番手から4番手を占拠するシーンもあり、最終的にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが唯一90秒台を切る1分29秒902を記録してタイムシートのトップに立った。
予選最速を刻んだルイス・ハミルトンは8番手でクルマを降りた。なおバルテリ・ボッタスがクルマにダメージを負った可能性があるとして、メルセデスはハミルトンに対してターン9の縁石を避けて走るよう指示する場面があった。
すでに1周のラップタイムを競う予選が終了しているため、全車が燃料搭載量を増やしてのロングラン・プログラムに取り組んだ。実際ラップタイムは予選と比べて3~4秒程度低下した。ただしターゲットとしているのがスプリント予選なのか決勝レースなのか、またはその両方なのかはチームに依る。
スプリント予選レースではスタートタイヤを自由に選択する事ができる。暑いコンディションが予想されるため基本的にはミディアムスタートが堅実と考えられるが、ハース勢を除いて各チームはソフトタイヤのプログラムにも取り組み、あらゆる選択肢を評価した。
ソフトでスプリント予選相当の17周を走行したのはフェラーリ、マクラーレン、メルセデス、ウィリアムズ、アルファタウリ・ホンダ、アルファロメオ、レッドブル・ホンダ、アルピーヌの8チームだ。
ミディアムとハードに絞ったアストンマーチンとハースが決勝レースに焦点を絞ったのは間違いないだろう。両チームともにスプリント予選でのポイント獲得(1位から3位まで)のチャンスは低く、セバスチャン・ベッテルはハードで19周、ミディアムで42周以上を走り込んだ。
なおシャシー交換を経て予選4番手タイムを刻んだエステバン・オコン(アルピーヌ)は、僅か13周走行のミディアムにブリスターを抱えて不満を訴えた。ミディアムよりソフトの方が早くブリスターを抱える可能性があり、加えてスプリント予選のコンディションはさほど涼しくなる見通しはない。ソフトがリスキーである事は確かだ。
実際問題として予選8番手のジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)を除いて、トップ10組にスプリント予選でリスクを犯す意義はないが、失うもののないトップ10圏外上位のアルピーヌやアルファタウリ・ホンダ勢はギャンブルに出るかもしれない。
例えば計量ブリッジの遅れによってQ1敗退を強いられたとする16番グリッドの角田裕毅はハード7周、ソフト20周、ミディアム11周を走って16番手でFP2を終えている。
ピットストップの義務がなく1ストッパーが予想されているとは言え、必ずしもそうなるという保証はない。特にセーフティーカーが導入されれば尚の事で、そうなれば当然ソフトの優位性が光る事になる。どうなるか。
2021年F1第10戦イギリスグランプリのスプリント予選レースは、日本時間7月17日(土)24時30分から開催される。
2021年F1第10戦イギリスGPフリー走行2(FP2)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:29.902 | 23 | |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:30.277 | +0.375 | 30 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:30.507 | +0.605 | 29 |
4 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:30.707 | +0.805 | 31 |
5 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:30.800 | +0.898 | 27 |
6 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:31.030 | +1.128 | 24 |
7 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:31.034 | +1.132 | 23 |
8 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:31.131 | +1.229 | 28 |
9 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:31.180 | +1.278 | 27 |
10 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:31.188 | +1.286 | 31 |
11 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:31.237 | +1.335 | 24 |
12 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:31.263 | +1.361 | 29 |
13 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:31.289 | +1.387 | 27 |
14 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:31.328 | +1.426 | 26 |
15 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:31.337 | +1.435 | 30 |
16 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:31.404 | +1.502 | 32 |
17 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:31.593 | +1.691 | 34 |
18 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:32.041 | +2.139 | 31 |
19 | 9 | マゼピン | ハース | 1:32.474 | +2.572 | 31 |
20 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:34.017 | +4.115 | 28 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 24℃ |
路面温度 | 42℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1イギリスGP |
---|---|
セッション種別 | フリー走行2 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | シルバーストン・サーキット |
---|---|
設立 | 1947年 |
全長 | 5891m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |