困惑隠さぬルクレールとサインツ…何故フェラーリは予選上位もレース陥落無得点に終わったのか?
予選ではミッドフィールド最速の5-7番手と中団グループの中で大量ポイントに最も近い場所にいたものの、カルロス・サインツは11位、シャルル・ルクレールは16位と、スクーデリア・フェラーリはF1第7戦フランスGP決勝でまさかのノーポイントに終わった。
この日のフェラーリは悲壮なシーズンとなった昨年を彷彿とさせるような余りにも悲惨なもので、ダブル入賞を飾ったマクラーレンが計18ポイントの大量得点を得た事で、フェラーリのコンストラクターズ選手権3位の目標は大きく遠のいた。
5番グリッドのサインツは第1スティントでポジションを維持するも、30周目にランド・ノリス、35周目にピエール・ガスリー、翌周にフェルナンド・アロンソ、43周目にセバスチャン・ベッテル、そして47周目にはランス・ストロールにオーバーテイクを許し、入賞圏内から弾き出された。
ルクレールもまた、早々にハードに履き替えて臨んだ第2スティント中盤の26周目には7番手を走行していたものの、マクラーレン勢とアルファタウリ・ホンダ、アルピーヌに立て続けに先行を許し、起死回生を狙って38周目に”諦め半分”の2ストップへと切り替えたが結果は変わらず、16位でヘルメットを脱いだ。
一体何が起きていたのか? 「Mission Winnow」のサポートがなかったから、という訳ではなさそうだ。
過去2戦連続のポールシッターであるルクレールはポール・リカールでの決勝について「F1に参戦して以降、最も難しいレースの一つだった」と認めた上で「凄く苦労」していたのは自身だけでなくサインツも同じであるとして、デグラデーションの酷さを理由に挙げた。
曰く最初の「5・6周」はパフォーマンスを発揮できたものの、その後は幾らタイヤをマネジメントしようとも、またミディアムであろうがハードであろうがコンパウンドの別に関わらず、性能劣化が手に余るレベルで為す術がなかったという。
なおバクー市街地コースでのタイヤブローを経て今週末はリアタイヤの内圧が引き上げられたが、チーム代表を務めるマッティア・ビノットは内圧上昇による影響を否定している。
サインツは過去の幾つかのレースと同じ様に、グレイニングを伴うフロントタイヤのデグラデーションに悩まされたと明かし、性能劣化の程度はライバルと比較して「2倍」に及んでいたとの考えを示した。
またサインツは「金曜の時点では問題なかった」と述べ、コンディションの変化が影響したのではと漏らし「タイヤの使い方に問題がある事は明らか」であるとして、早期改善が必要だと訴えた。
何しろレッドブル・リンクでの次戦シュタイアーマルクGPまでは1週間しか離れておらず、フェラーリが今回頭を抱えたC2~C4コンパウンドが持ち込まれる予定となっている。