フェルスタッペン、本領発揮で最速奪取!”落ち着け”となだめられる角田裕毅 / F1スペインGP《FP3》結果とダイジェスト
2021 F1第4戦スペインGP土曜3回目のフリー走行が5月8日に行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが後続に0.235秒差を築く1分17秒835を記録し、公式予選前最後のプラクティス走行でタイムシート最上部に付けた。
2番手はルイス・ハミルトン。メルセデスのチームメイト、バルテリ・ボッタスはまとめ切れず5番手に留まり、間にはシャルル・ルクレールが3番手、カルロス・サインツが4番手と、好調フェラーリ2台が並んだ。
カタロニア・サーキットでの予選ランの鍵はバランスにある。序盤のセクターで攻め過ぎると最終セクターまでにタイヤが終わってしまうため、1周全体を考慮してその配分を考える必要がある。
ソフトを履いたハミルトンはセクター1で自己ベスト、セクター2で全体ベストを記録するもセクター3で自己ベストを更新できず、ミディアムでのタイムが自身のファステストとなった。なおミディアムの場合は第1・2セクターが自己ベストに届いていない一方、セクター3のタイムは全体ベストだった。
対照的にフェルスタッペンは、セクター1で自己ベスト、セクター2で全体ベスト、最終コーナーでオーバーステアを抱えたもののセクター3でも自己ベストを刻みトップに立った。FP2で9番手に留まっていた事を踏まえれば、遂に本領発揮といったところだろう。
ボッタス、ハミルトン、そしてフェルスタッペンと、週末3回のプラクティスは全て異なるドライバーが最速を刻む事となった。予選では激しい三つ巴の争いが期待される。確かに土曜午前だけを見ればオランダ人ドライバーの手強さが際立っているように見えるが、ハミルトンは予選で帳尻を合わせてくるだろう。
フェラーリがいずれのセッションでも高い競争力を発揮している事から、フェルスタッペンの僚友セルジオ・ペレスにとってはタフな土曜の午後となりそうだ。
追い抜き困難なコースゆえ、カタロニア・サーキットでのレースは予選結果が大きなカギを握る事になるが、ペレスはソフトでの1発のアタックに頭を悩ませている様子で、フェラーリはおろか、マクラーレン勢やアルファロメオのキミ・ライコネンにすら先行を許す10番手に留まった。
アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリーが7番手と一貫性を見せつけた。角田裕毅は12番手と圏外でクルマを降りたが、両者のギャップは僅か0.138秒だ。ミッドフィールドは大混戦の様相で、3番手ルクレールから13番エステバン・オコン(アルピーヌ)までの11台がコンマ4秒以内にひしめいている。
なお角田裕毅はセッション中、チーム無線のタイミングに不満を訴えていた。エンジニアから「DRSを使ったターン10へのブレーキングはOKだ」と伝えられると「毎回言うのが遅いよ。コーナーのエントリーにいるんだけど」と声を荒げ「落ち着け、次から上手くやるから」となだめられていた。
グランプリ2日目を迎えた現地バルセロナは晴れ渡り、予選結果を占うセッションは気温23℃、路面37℃のドライコンディションでスタートした。
直前にサポートレースのFIA-F3選手権レース1が行われた事から、路面のラバー状況が注目されたものの、グリーンフラッグと同時にいち早くコースに出ていった地元の英雄フェルナンド・アロンソは「グリップがない」と評価。アルピーヌは三味線を弾いているのか、チームメイトのオコン同様にアロンソもまたトップ10圏外の11番手に留まった。
マシン性能を考えれば目を疑う9番手と好位置に付けたライコネンは、最終盤に右リアタイヤのパンクに見舞われた。同じアルファロメオC41を駆るアントニオ・ジョビナッツィは16番手で、2台の差は0.617秒と大きく開いた。
2台分のアップグレードが揃い、大きな一歩を踏み出したかに思われたアストンマーチン勢は、ランス・ストロールが14番手、セバスチャン・ベッテルは17番手とフィールド後方に沈んだ。
フェラーリ同様に2台揃ってトップ10圏内にクルマを置いたマクラーレン。6番手に付けたランド・ノリスは最終盤にターン10でグラベルに飛び出るも、FP1で同じ目に遭ったロバート・クビサとは異なり何とかコースに復帰した。ダニエル・リカルドは8番手タイムを刻んだ。
2021年F1スペイングランプリ公式予選は、日本時間5月8日(土)22時から全3ラウンド、計1時間に渡ってカタロニア・サーキットにて行われる。
2021年F1第4戦スペインGPフリー走行3(FP3)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
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1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:17.835 | 11 | |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:18.070 | +0.235 | 14 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.308 | +0.473 | 17 |
4 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:18.410 | +0.575 | 18 |
5 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:18.423 | +0.588 | 15 |
6 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:18.494 | +0.659 | 14 |
7 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:18.535 | +0.700 | 17 |
8 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:18.582 | +0.747 | 21 |
9 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:18.597 | +0.762 | 18 |
10 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:18.606 | +0.771 | 16 |
11 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:18.662 | +0.827 | 18 |
12 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:18.673 | +0.838 | 21 |
13 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:18.700 | +0.865 | 15 |
14 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:18.877 | +1.042 | 18 |
15 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:19.005 | +1.170 | 17 |
16 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:19.214 | +1.379 | 19 |
17 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:19.363 | +1.528 | 18 |
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:19.392 | +1.557 | 16 |
19 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:19.999 | +2.164 | 17 |
20 | 9 | マゼピン | ハース | 1:20.237 | +2.402 | 15 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 23℃ |
路面温度 | 37℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1スペインGP |
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セッション種別 | フリー走行3 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | カタロニア・サーキット |
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設立 | 1991年 |
全長 | 4657m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |