幻に消えたフェルスタッペンのポール、角田裕毅は無念Q2敗退 / F1ポルトガルGP《予選》結果とダイジェスト
2021 FIA-F1世界選手権3戦ポルトガルGPの公式予選が5月1日にアルガルベ・サーキットで行われ、バルテリ・ボッタスが1分18秒348を記録してポールポジションを獲得した。
2番手にはルイス・ハミルトンが続き、メルセデスが今季初の最前列独占を果たした。両者のギャップは0.007秒という僅差だった。
レッドブル・ホンダ勢は一歩及ばず2列目に留まった。
マックス・フェルスタッペンは最終Q3の1回目のアタックでポール相当のラップを刻んだがトラックリミットによって抹消となり、巻き返しの目指して臨んだ最終計測では、トラフィックに加えて風が強まった事でタイヤを上手く機能させる事が出来ず、コンマ4秒落ちの3番手に終わった。セルジオ・ペレスは同コンマ5秒落ちの4番手という結果となった。
予選後のフェルスタッペンは酷く落胆した様子を見せた。理由を問われたフェルスタッペンは、コースの新舗装とトラフィックとなったセバスチャン・ベッテルに不満と苛立ちをあらわにした。
アルファタウリ・ホンダ勢は、ピエール・ガスリーが渾身の走りで昨年のバーレーンGPから続く連続Q3進出記録を6に伸ばして9番手を確保したが、角田裕毅はソフトタイヤを上手く使えず14番手でノックアウトを喫した。Q2での2人のタイム差は0.411秒と開いた。
トップ4に続いたのは順当フェラーリで、カルロス・サインツがエステバン・オコン(アルピーヌ)を0.003秒という紙一重で交わす格好となった。7番手はランド・ノリス(マクラーレン)、8番手にはシャルル・ルクレールが続いた。
トップ10の最後の一枠にはアストンマーチンのセバスチャン・ベッテルが滑り込んだ。優先的にアップグレードが投じられた僚友ランス・ストロールは17番手でQ1敗退を喫するも、旧スペックでの戦いを強いられた4度の王者は久しぶりの最終ラウンドを堪能した。
午前のFP3に引き続き現地アルガルヴェは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温18℃、路面38℃のドライコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC1、ミディアム(黄色)にC2、ソフト(赤色)にC3コンパウンドを投入。興味深いことに、今回の予選での全体ファステストは、ミディアムを履いたハミルトンがQ2で計測した1分17秒968だった。
予選Q1:リカルドが敗退
ボッタスはセンサートラブルでギアボックスを一旦取り外さなければならなかったが、無事に予選までに作業を終えた。またノリスもCEに問題を抱えたが、こちらも事なきを得た。
ペレスがターン4でオーバーステアに見舞われグラベルに飛び出てしまい、イエローフラッグが振られる場面があった。おそらくは風が原因と見られる。
Perez off!
Checo slides into the gravel but he's out again and currently P3 in the Q1 standings#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/40hLT3qlVr
— Formula 1 (@F1) May 1, 2021
1000分の42秒差でジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)がQ2進出を果たし、ダニエル・リカルド(マクラーレン)が涙を飲んだ。僚友ノリスは2番手突破を果たした。
角田裕毅は12番手で通過を果たしたが、リカルドとのタイム差は僅かコンマ15秒という僅差だった。
ノックアウト
- ダニエル・リカルド
- ランス・ストロール
- ニコラス・ラティフィ
- ミック・シューマッハ
- ニキータ・マゼピン
予選Q2:角田とアロンソが涙
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、メルセデス、レッドブル・ホンダ、フェラーリ、アルファロメオの各2台とノリス、ラッセルの計10台がミディアムを履いてコースに向かった。
ハミルトンが唯一17秒台を刻むなどメルセデスはペースを見せたが、ミディアムのレッドブル・ホンダはフェルスタッペンがコンマ6秒落ちの5番手突破に留まった。
アルファタウリはガスリーが10番手ギリギリで6戦連続Q3進出を果たしたが、角田裕毅は僚友に0.411秒及ばず14番手でノックアウトを喫した。
アルピーヌもまた、チームメイト同士で明暗が分かれた。オコンは4番手で駒を進めたが、フェルナンド・アロンソは13番手に終わった。
ノックアウト組の最上位11番手に付けたのは「ミスターサタデー」ことラッセル。実に見事なパフォーマンスだった。
ノックアウト
- ジョージ・ラッセル
- アントニオ・ジョビナッツィ
- フェルナンド・アロンソ
- 角田裕毅
- キミ・ライコネン
予選Q3:幻に消えたマックスのPP
フェルスタッペンは1回目のアタックラップで1分18秒209の暫定ポール相当のラップを刻んだが、トラックリミットによってタイム抹消となり、崖っぷちに追い込まれた。
勝負は最終アタックに持ち越しとなったが、風が強まりコンディションが変化した事が影響して誰もがタイムを伸ばせず、ハミルトン、フェルスタッペン、ペレス、サインツ、オコン、ノリス、ルクレールに至ってはQ2の自己ベストを上回る事も出来なかった。
2021年 F1ポルトガルグランプリ決勝レースは、日本時間5月2日(日)23時にスタート。1周4684mのアルガルベ・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。
2021年F1第3戦ポルトガルGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:18.722 | 1:18.458 | 1:18.348 | 23 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:18.857 | 1:17.968 | 1:18.355 | 24 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:19.485 | 1:18.650 | 1:18.746 | 20 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:19.337 | 1:18.845 | 1:18.890 | 22 |
5 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:19.309 | 1:18.813 | 1:19.039 | 23 |
6 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:19.092 | 1:18.586 | 1:19.042 | 17 |
7 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:18.794 | 1:18.481 | 1:19.116 | 24 |
8 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:19.373 | 1:18.769 | 1:19.306 | 29 |
9 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:19.464 | 1:19.052 | 1:19.475 | 26 |
10 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:19.403 | 1:18.970 | 1:19.659 | 22 |
11 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:19.797 | 1:19.109 | 15 | |
12 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:19.410 | 1:19.216 | 19 | |
13 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:19.728 | 1:19.456 | 12 | |
14 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:19.684 | 1:19.463 | 17 | |
15 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:19.748 | 1:19.812 | 19 | |
16 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:19.839 | 11 | ||
17 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:19.913 | 10 | ||
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:20.285 | 9 | ||
19 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:20.452 | 11 | ||
20 | 9 | マゼピン | ハース | 1:20.912 | 11 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 18℃ |
路面温度 | 38℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ポルトガルGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | アルガルベ・サーキット |
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設立 | 2008年 |
全長 | 4684 m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 時計回り |