ロマン・グロージャン、苦楽を共にしたハース同僚達に別れ…ケビン・マグヌッセンとヘルメット交換
ロマン・グロージャンが5年間に渡って苦楽を共にしてきたハースF1チームの同僚達に別れを告げた。34歳のフランス人ドライバーは両手の火傷を負い欠場したサクヒールを去り、自宅のあるスイスに戻った。
グロージャンはF1第15戦バーレーンGPの衝撃的なクラッシュから奇跡的な生還を果たしたものの、コックピットからの脱出の際に燃え盛る炎の中に両手を投げ出さなくてはならず火傷を負った。
3連戦の初戦という事で完治を待つ時間的余裕はなく、皮膚移植のリスクを負ってまでステアリングを握る事は懸命ではないと判断。サクヒール並びに最終アブダビの両グランプリの欠場を決めた。グロージャンには来季の契約がなく、事故という全く望んでいない形でF1での現役に終止符を打つ事となった。
両手に包帯を巻いたグロージャンは、バーレーン・インターナショナル・サーキットのガレージ内でギュンター・シュタイナー代表と抱擁を交わし、チームメンバー達に別れを告げた。
「僕らは生まれながらのレーサーだが、それ以前に何よりも感情と愛を持った人間だ。共に5年間を過ごして皆に感謝の気持ちを伝えたい。ありがとう」
You deserve every 👏 @RGrosjean
Scenes in the garage pre-race yesterday ⤵️#ThankYouRomain
🎥 x @RGrosjean #HaasF1 #SakhirGP pic.twitter.com/8VdPErv6PR
— MoneyGram Haas F1 Team (@HaasF1Team) December 7, 2020
チームメイトとして、そしてライバルとして、4年間に渡ってタッグを組んだケビン・マグヌッセンとは互いのヘルメットを交換し合った。
— Romain Grosjean (@RGrosjean) December 7, 2020
ハースはグロージャンの後任としてサクヒールGPと最終アブダビGPでピエトロ・フィッティパルディを起用した。偉大なF1ワールドチャンピオンを祖父に持つフィッティパルディは、完走17台中最下位でデビュー戦を終えた。
Warrior heart… much respect for you @RGrosjean ! 🙏🏼 I wish you all the best and hope to see you again soon my friend. pic.twitter.com/NFUfkFL6VB
— Pietro Fittipaldi (@PiFitti) December 7, 2020
グロージャンはクラッシュで終えたバーレーンでF1生活を終わらせたくないと考えており、全てのF1チームに電話を掛け、1月を目処にプライベートテストのチャンスを与えてくれるチームを探す意向を明らかにしているが、これについてはメルセデスがシルバーアローを提供する用意があるとしている。
ネルソン・ピケJr.に代わって2009年のF1ヨーロッパGPでデビューを果たしたグロージャンは、出走179戦、表彰台10回、最前列1回、ファステストラップ1回、ポイントフィニッシュ59回、決勝最高位2位、リタイヤ50回という記録を以てF1を去る。