F1ベルギーGP:最速タイヤ戦略と残存セット数、理論上最も速いストラテジーは?
トップ10の中でタイヤ戦略が分かれた。スパ・フランコルシャンを舞台として、第7戦ベルギーGPの決勝レースが日本時間8月30日(日)22時10分にブラックアウトを迎える。44周のレースを制するのは誰なのか? 各ドライバーの手持ち残存タイヤセット数と、ピレリが考える最速のタイヤストラテジーをまとめる。
公式タイヤサプライヤーのピレリは今回、昨年のグランプリよりも1段階柔らかいレンジのC2(ハード/白)、C3(ミディアム/黄)、C4(ソフト/赤)のラインナップを持ち込んだ。昨年はポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が中古ソフト(=今季ミディアム)で21周を走り、新品ミディアム(=今季ハード)に履き替えてトップチェッカーを受けている。
決勝がドライコンディションで行われる場合、各マシンは最低2種類の異なる硬さのコンパウンドを使用しなくてはならない。午後は降雨が予想されているものの、現地日曜午前に開催されたFIA-F2選手権レースはドライコンディションで行われた。
決勝に向けての各ドライバーの手持ちタイヤは以下の通り。ハードとミディアムに関しては全員が新品を少なくとも1セット保持しており、残りのタイヤセットからは、ミディアムとハードを使った1ストップが主流となりそうな雰囲気が漂う。
44周で競われるベルギーGPの理論上最速と考えられる戦略は1ストッパーだ。
無論コンディションや天候に大きく左右されるが、ピレリはソフトタイヤでスタートして18周を走り、その後ミディアムに履き替えてフィニッシュするのが理想的だと考えている。あるいはミディアムからソフトへと繋ぐ逆のパターンもあり得るという。
次善策はソフトで16周を走り、その後ハードで28周を走り切る1ストッパー。2ストッパーの場合はソフト14周、ミディアム16周と走った後に再度ソフトに履き替えて完走するという手もある。とは言えいずれの戦略もシミュレーション上ではかなり似通ったタイムだったとの事で、最適解はレースの展開次第という事になる。
ピレリのレース部門を統括するマリオ・イゾラは「第1スティントにミディアムを履く者たちはより長い距離を走る事ができるだろうが、ソフト勢はスピードでのアドバンテージを持つことになる。序盤の注目ポイントの1つと言える」と語った。
ミディアムスタートとなる最前列のメルセデス勢と3番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。対して、ソフトを履いてその背後に控える4番グリッドのダニエル・リカルド(ルノー)とアレックス・アルボン(レッドブル・ホンダ)。オープニングラップはレッドブル・ホンダの対メルセデス戦の行方を占う上での大きな注目ポイントと言えるだけに、ソフトのリカルドの走りに注目が集まる。
2020年F1ベルギー・グランプリの決勝レースは、日本時間8月30日(日)22時10分にスタート。1周7,004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。