F1:ボッタス、ルノーのみならずレッドブル・ホンダにもアプローチか
2020年限りでスクーデリア・フェラーリを離脱するとの電撃発表により、4度のF1王者セバスチャン・ベッテルは今季シリーシーズンの主役の座を射止めたが、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスもこれに劣らず刺激的な話題を振りまいている。
メルセデスでのシート喪失というリスクに備え、ボッタスのマネージャーを務めるディディエ・コトンはルノーのシリル・アビテブール代表と2021年の展望について話し合ったとされるが、敏腕マネジメントはエンストンのチームのみならず、レッドブル・ホンダとも接触しているようだ。
ドイツ出身のF1記者、ラルフ・バッハによれば、ディディエ・コトンはルノーF1のトップへのアプローチと並行して、レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表をディナーに招待したと言う。マックス・フェルスタッペンは2023年末までの契約があるが、アレックス・アルボンの契約は今季末で満了を迎えるため、理論的にはシートに一つ空きがある。
経験豊富なフィンランド人ドライバーの契約は2020年末で満了を迎えるが、チーム代表を務めるトト・ウォルフはメリットよりもデメリットの方が勝るとして、早期にドライバーラインナップを確定する事を好ましく思っておらず、2021年の体制が近々に発表される見込みは殆どない。
ニコ・ロズベルグの後任として2017年にウィリアムズからメルセデスへと席を移したボッタスは、今季でシルバーアローでの4シーズン目を迎えたものの、毎シーズンに渡って単年の契約更新しか許されず、首の皮一枚でキャリアの望みを繋いできた。本人は常にプレッシャーを受けながら日々を過ごす事を好ましく捉えておらず、予てから腰を据えてシーズンに取り組みたいとの意向を示している。
あらゆる可能性にアプローチするのはリスクヘッジの基本とも言える。実現するか否かはさておき、ボッタスがミルトンキーンズのチームに接触する事自体は特に驚くべき事ではない。
トト・ウォルフ代表は現行ラインナップの維持を最優先事項と仄めかし、次善策として育成傘下のジョージ・ラッセルの起用を示唆しているが、ダイムラーの前会長ディーター・ツェッチェが人事を白紙委任した一方で、後任のオラ・ケレニウスがこれとは対照的に人事に介入したとしても不思議はなく、”マーケティング的理由”から、ドイツ出身のベッテルがハミルトンのチームメイトを務める可能性は決してゼロではない。