まるで戦時中のようだ…レッドブルF1顧問の隔離生活、ブリアトーレ同様に新型コロナの感染を示唆
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはフラビオ・ブリアトーレと同じ様に、自身は既に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染し免疫を手に入れていると考えている。
来月に77歳を迎える1971年のル・マン24時間レースウィナーは独Auto Bildとのインタビューの中で「2月中旬にひどい咳を患う風邪をひいてしまった。私にとっては珍しく症状は10日間続いた」と切り出し、次のように続けた。
「今となっては、あの時の症状の原因はウイルスだと思っている。何故か? オーストラリアGPからの帰りのフライトのドバイ空港に立ち寄ったにも関わらず無事だったからだ。そこには、各国から集まった数万人もの人々が非常に狭い空間に押し寄せていた。人々は咳をしたり、ぶつかり合ったりしていた。私に言わせればあれは究極とも言うべきコロナウイルスのホットスポットだった」
ドバイの空港に降り立つ前に体内で抗体が作られていなければ、トランジットの際に間違いなく新型肺炎に感染したはずだ…そう考えるヘルムート・マルコは、感染を恐れるマックス・フェルスタッペンの姿を見て、ドライバー達の不安を解消しつつも、開幕に備えたプログラムを実施しようとしていた。
ヘルムート・マルコは「チームのドライバー全員を集めて、美しい場所で合宿のようなものをやろうと考えていた。モチベーションを保つ意味でも有意義だからね。だが、残念ながらそれはもう禁止されているために実施する事ができない」と語った。
オーストリア連邦保健省の26日の発表によると、同国内では新たに413名の新型肺炎の確定症例が確認され、累計の感染者数は6,001名、死亡者数は42名に上っている。被害が深刻化する他国と同じ様に、16日(月)からは生活必需品店等の例外を除き全ての店舗が閉店され、外出も原則禁止されている。
マルコが住むシュタイアーマルク州の州都グラーツも例外ではない。グラーツの名誉市民であるヘルムート・マルコはレッドブルの顧問というのみならず、シュロスバーグホテルなどの宿泊施設の経営者という顔を持つが、現在は医療施設として公に提供しているようだ。
「極端に行動が制限されており、グラーツ市内は閑散としている」とヘルムート・マルコは語る。
「私は4つのホテルと関連するカフェを閉じなければならなかった。ホテルについてはクリニックとして代用できるように改装してある。だが、多くの人々が抱えている恐怖感を払拭するには何の役にも立たない」
「まるで戦時中のようだ」