英国ミルトンキーンズに位置するレッドブル・レーシングのファクトリー内部に展示された歴代のF1マシン
Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1チーム、急遽一斉にファクトリー閉鎖の運び…英国政府、新型コロナ対策を強化

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イギリスに本拠を構えるレッドブル・レーシングやマクラーレン、ウィリアムズといったF1チームが、英国政府による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策令を受け、急遽一斉にファクトリーを閉鎖する見通しとなった。

イギリスでは24日に新たに1427名の感染者と87名の死者が確認され、累計感染者数は8077名に、そして累計死者数は422名に達した。パンデミックによる被害は指数関数的に広がっており、感染の爆発的拡大ステージにあるものと理解されている。

こうした状況を受けジョンソン英国首相は3月23日夜、英国民向けに緊急スピーチを行い、生活に必須とみなされない理由での外出の一切を禁じると共に、生活必需品以外を扱う商業施設の閉鎖と結婚式等を含む社会的行事の中止を指示した。

ルールに従わない場合は罰金を含む厳しい対応を取るとしており、これらの違反を取り締まるための権限が今後警察に与えられるものとみられている。この措置は少なくとも今後3週間は実施される。

こうした情勢を背景にイギリスにファクトリーを構えるF1チームは、予定されていた開発拠点のシャットダウン計画を前倒しして、その多くが急遽25日よりこれを開始する運びとなった。

F1は収益増のために8月中にレースを開催すべく、強制的な工場閉鎖を含むサマーブレイクを3月~4月に前倒しにする事を決め、各チームはすでに計画を策定していたが、政府発表によってその変更を強いられた格好だ。

マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表はウォーキングのファクトリーを2020年3月25日(水)から4月14日(火)まで閉鎖する事を明らかにし、ウィリアムズもグローブの施設を25日(水)午前6時から15日(水)午前6時まで閉鎖すると発表した。

ホンダエンジンを搭載するレッドブル及び、メルセデス、レーシングポイント、ルノーについては現時点で発表はないものの、同じ様に政令に従って滞りなくルール上の義務を消化するものとみられる。

F1レギュレーションでは強制シャットダウンの対象にエンジンサプライヤーを含めていないため、ホンダ、メルセデス、ルノー、フェラーリの各エンジン業務部門には閉鎖の義務はないものの、今回の政府令の影響で、英国内の関連施設での作業が一部制限される可能性はある。

イギリスよりも早く政府当局による事実上の業務停止が命じられたイタリアでは、フェラーリが19日から、アルファタウリは23日からシャットダウンを開始している。