ハミルトンが4ヶ月ぶりにPP獲得、レッドブル・ホンダは最前列 / F1アブダビGP《予選》結果とダイジェスト
2019年FIA-F1世界選手権 最終第21戦アブダビGPの公式予選が、11月30日土曜にヤス・マリーナ・サーキットで行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが1分34秒779を記録し、7月の第11戦ドイツGP以来、10レースぶりにポールポジションを獲得した。
2番手はバルテリ・ボッタス。チームメイトには0.194秒届かなかったものの、2014年に始まったハイブリッドターボ時代以降、予選・決勝共に一度たりともライバルに負けた事のない牙城において、今年もまたシルバーアローが他を圧倒した。
© Getty Images / Red Bull Content Pool、セクター3を走行するレッドブル・ホンダRB15
3番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ボッタスがエンジン交換ペナルティを受けるため、日曜の決勝レースを最前列からスタートする。同じくRB15のステアリングを握ったアレックス・アルボンは、フェルスタッペンから0.543秒遅れの6番手という結果となった。
チーム創設史上初となるコンストラクター5位を狙うトロロッソ・ホンダ勢は、1000分の数秒を争う大接戦の末にライバルに先行を許し、ピエール・ガスリーが12番手、ダニール・クビアトが14番手と、トップ10圏外に終わった。
フェラーリ勢にはポールを争う力はなく、シャルル・ルクレールが4番手、セバスチャン・ベッテルが5番手に甘んじた。Q3最後のアタックラップでは、ルクレールが時間内に計測を開始できず、チーム側のオペレーション能力が疑われる場面もあった。
ミッドフィールド最速はマクラーレン。ランド・ノリスがルノーのダニエル・リカルドを100分の2秒差で交わして7番手タイムを刻んだ。カルロス・サインツは9番手と僚友に一歩届かず、ノリスは対予選成績でチームメイトに11勝11敗と勝ち越した。
© McLaren、強烈な夕日に照らされるマクラーレンMCL34、ランド・ノリス
FP3に引き続き現地ヤス島は晴天に恵まれ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温26.7℃、路面33.3℃、湿度59.8%のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリはハードにC3、ミディアムにC4、ソフトにC5コンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。
予選Q1:ラッセルがアロンソに並ぶ記録達成
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、ハミルトンがトップタイム通過を果たし、アルボンが2番手に続いた。ベッテルは最初のアタックの際に、ホームストレート上でスピン。1ランを棒に振ってしまっものの、2度目のランで7番手タイムを刻み、無事にQ2へと駒を進めた。
ロマン・グロージャンは、ピットへと入りガレージへと向かった際に、前方から飛び出したクビアトとニアミス。一件は審議の対象となり、予選後にトロロッソに対して罰金5,000ユーロ(約60万3,326円)を科す裁定が下った。グロージャンはアルファロメオ勢を上回ったものの16番手で敗退。クビアトは14番手でQ2進出を果たした。
ウィリアムズのジョージ・ラッセルは、今回もロバート・クビサを打ち負かし19番手タイムをマーク。今季全ての予選でチームメイトを打ち破る21戦21勝を挙げ、フェルナンド・アロンソがストフェル・バンドーン相手に達成した記録に肩を並べた。ニコラス・ラティフィは来年、若きイギリス人ドライバーに対して、どこまでやれるだろうか?
© Williams Racing
ノックアウト
- ロマン・グロージャン
- アントニオ・ジョビナッツィ
- キミ・ライコネン
- ジョージ・ラッセル
- ロバート・クビサ
予選Q2:戦略を分けたスクーデリア・フェラーリ
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、レッドブル・ホンダ勢とケビン・マグヌッセン、そしてメルセデス勢の計5台がミディアムタイヤで1セット目のタイム計測を行った。メルセデスの2台が問題なくQ3進出タイムを刻んだ一方、レッドブルの2台は保険の意味合いでソフトタイヤを履いて2回目のランに向かったが、後続のタイム更新が小幅に収まったため計測を途中で中止した。
フェラーリは2台共にソフトで一発目を終えたものの、決勝レースを見据えてスプリット戦略を採用し、ルクレールにのみに2度目のランを指示。ミディアムコンパウンドを履いたルクレールは、シルバーアローを抑えてトップタイムを記録した。
コンストラクター5位を巡る争いは、2台揃ってQ3進出を果たしたルノーが一歩先行する格好となった。レーシングポイントとトロロッソ・ホンダは入れ違いに並び、11番手にセルジオ・ペレス、12番手にピエール・ガスリー、13番手にランス・ストロール、そして14番手にダニール・クビアトが続き、僅か1000分の86秒の間に4台がひしめいた。
ノックアウト
- セルジオ・ペレス
- ピエール・ガスリー
- ランス・ストロール
- ダニール・クビアト
- ケビン・マグヌッセン
予選Q3:フェラーリ大失態…ルクレール計測できず
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、1回目のアタックを終えてハミルトン、フェルスタッペン、ボッタス、ルクレール、ベッテル、アルボンの順に並んだ。セクター3だけで、メルセデスにコンマ6秒引き離されたフェラーリはボール争いから脱落した。
ダニエル・リカルドは1セットのみのアタックを見事に決めて8番手。ルノーでの最後の予選となったニコ・ヒュルケンベルグは10番手タイムに終わった。
路面インプルーブの恩恵を最大限に活かそうとした跳ね馬は、一番最後にマシンをコースへと送り出したものの、ルクレールは時間内にスタートラインを区切ることができず、1度しかタイムを計測できず4番手に終わった。
F1アブダビグランプリ決勝レースは、日本時間12月1日(日)22時10分にスタート。1周5554mのヤス・マリーナ・サーキットを55周する事でチャンピオンシップを争う。
2019年F1第21戦アブダビGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:35.851 | 1:35.634 | 1:34.779 | 18 |
2 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:36.200 | 1:35.674 | 1:34.973 | 15 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:36.390 | 1:36.275 | 1:35.139 | 15 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:36.478 | 1:35.543 | 1:35.219 | 16 |
5 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:36.963 | 1:35.786 | 1:35.339 | 16 |
6 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:36.102 | 1:36.718 | 1:35.682 | 21 |
7 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:37.545 | 1:36.764 | 1:36.436 | 17 |
8 | 3 | リカルド | ルノー | 1:37.106 | 1:36.785 | 1:36.456 | 15 |
9 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:37.358 | 1:36.308 | 1:36.459 | 17 |
10 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:37.506 | 1:36.859 | 1:36.710 | 18 |
11 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:36.961 | 1:37.055 | 13 | |
12 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 1:37.198 | 1:37.089 | 12 | |
13 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:37.528 | 1:37.103 | 14 | |
14 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:37.683 | 1:37.141 | 12 | |
15 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:37.710 | 1:37.254 | 14 | |
16 | 8 | グロージャン | ハース | 1:38.051 | 8 | ||
17 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:38.114 | 6 | ||
18 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:38.383 | 6 | ||
19 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:38.717 | 8 | ||
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:39.236 | 6 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 26.7℃ |
路面温度 | 33.3℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アブダビGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ヤス・マリーナ・サーキット |
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設立 | 2009年 |
全長 | 5281m |
コーナー数 | 21 |
周回方向 | 反時計回り |