トロロッソ・ホンダが内紛…来季シートを巡る政治的駆け引き?食い違うハートレーとガスリーの主張
トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは、前戦F1アメリカGP決勝後に発表されたピエール・ガスリーとチームの主張は事実ではないと反論。”混乱に巻き込まれたためにマシンのフロアが損傷しダウンフォースが失われた”との主張は嘘偽りだと主張した。
COTAで開催された先週のシーズン第18戦でハートレーは、最後尾20番グリッドからのスタートを余儀なくされたものの、12位に終わったチームメイトのガスリーを上回る9位入賞を果たし、チームにチャンピオンシップポイントをもたらした。
レース終了後にトロロッソ・ホンダから発行されたプレスリリースでは、オープニングラップで飛散したデブリの影響でガスリーのフロアがダメージを負ったとの報告があった。だがレースを終えたハートレーは、ガスリーの10号車には何も問題がなかったと主張。イコールコンディションでチームメイトに打ち勝ったのだと強調した。
「毎回平等なチャンスが与えられているわけじゃない。僕は片方のマシンをサポートする戦略の下でレースを戦っていたりする。予選では(ピエールに)かなり接近できてるけど、チャンスの違いがポイントの差になっている」
「僕はシーズンを通して強さを増している。それはオースティンで証明できたと思う。プレスリリースには、もう一台のクルマがレース中に問題を抱えたとの記載があったがそんな事はない」
「本当に素晴らしいパフォーマンスを示す事ができ、その結果としてポイントを獲得できて本当に滿足してる」
「僕はちゃんと仕事をこなせているし、ホンダとの開発においてもチームに大きく貢献している。僕はずっとチームの事を考えてきた。僕はチームプレイヤーだ。来年もここにいられる事を祈ってる」
1週間後のメキシコGP。ハートレーは1セットしかない貴重な空力アップグレードをチームから託され、フリー走行では軒並みトップ10を連発。予選では自身のミスによってQ3進出を逃したものの、週末を通して印象的な速さを見せていた。予選後、先週の一件について再び質問されるとハートレーは「この件についてコメントする事は許されてないんだ」と返した。
一方のガスリーはマシンに問題があったとの主張を繰り返しており、依然として両者の見解は一致していない。だがガスリーとしてはハートレーを貶める気はなく、友好的な関係を築けていると語る。
「僕はチームメイトとは常に友人関係であろうと思ってる。受け入れてくれる人もいるけど、時には友達にはなりたくないって人もいる」
「ブレンドンとは上手くやれてると思うよ。彼は今、重圧を抱えているから、今シーズンが始まった頃とは少し違った目で物事を見ているように思う」
トロロッソは現在、来季チームに復帰するダニール・クビアトの相方として、フォーミュラEに参戦する日産e.damsのアレックス・アルボンに白羽の矢を立てている。独メディアの中には、既に日産はアルボンを放出しておりトロロッソと契約済みだと報じるものもあり、ハートレーのトロロッソ・ホンダ残留の可能性が消滅しつつある。
フランツ・トスト代表はメキシコ金曜記者会見の場で、ハートレーは残り3戦で更に多くのポイントを獲得する必要があると主張。これが出来ない場合契約更新の可能性はないと述べ、ハートレーに奮起を促している。
仮にハートレーの主張が真実だとすると、チームとガスリーは何故偽りの発言をしたのだろうか?ハートレーが残留に足る実力を備えていると外部に知られると不味いことでもあるのだろうか?なるほど確かに、既にアルボンとサイン済みだとすると筋が通る話ではあるが…果たして真実や如何に。