未だに最高速が最下位のマクラーレン「低迷の原因が車体側にあるのは明白」とレッドブルのご意見番
辛辣かつ歯に衣着せぬ物言いで知られるレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、マクラーレンの近年の成績低迷の原因は、ホンダエンジンだけでなく車体側あるのは明白だと考えている。
3年という短命に終わった第二期マクラーレン・ホンダは、ホンダエンジンの信頼性不足と空気抵抗の大きなマクラーレン製シャシー、そして、両者のコミュニケーション不全が不調和音を奏で、たった一度すらも表彰台に上がれない葬り去りたい黒歴史と終わった。
口数少ないホンダがマクラーレンをバッシングする事はなかったものの、その逆は著しく、フェルナンド・アロンソとチーム首脳陣は事ある毎に成績低迷の原因を一方的にホンダに押し付けてきた。その様は、マクラーレンに付帯する輝かしい名声を著しく傷付けるような種類のものであった。
チャンピオンシップエンジンであるルノーを搭載すれば全てが解決し、表彰台争いや優勝すらも目指せるはず…シーズン前にマクラーレン陣営から声高に叫ばれた合言葉は、バルセロナテストが始まって以降、徐々にトーンダウンしつつある。
「アロンソはレッドブルに食って掛かりたいと思っていたようだが、実際にはトロ・ロッソの前にすら出られなかった」マルコは独オート・モーター・アンド・スポーツに対して口を開いた。「今年のマクラーレンはさほど良いとは言えないだろう。昨年までの彼らは、単にホンダエンジンのせいで遅かった訳ではない。ルノーエンジンを搭載してもストレートでは最後尾にいるんだからね」
前戦バーレーンGP予選でのスピード・トラップでは、フェルナンド・アロンソが18番手、ストフェル・バンドーン20番手最後尾と2台揃ってグリッド下位に埋没した。間に挟まれていたのは、予選Q1でクラッシュしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンであり、実質的にはマクラーレン・ルノーが最も遅かった。
マルコは、改善途上にあった良いエンジンを失っただけでなく多額の資金すらも手放した、付け加え、ホンダを追いやったマクラーレン首脳陣の経営判断に疑問を呈した。
レッドブルは今年限りでルノーとのパワーユニット供給契約が満了を迎え、来シーズン以降のホンダエンジン搭載を念頭に、弟チームであるトロ・ロッソのパフォーマンスを評価している。