アンドレ・ロッテラーもWEC日程変更論争に一言「アロンソがF1を欠場すれば万事OK」
フェルナンド・アロンソだた一人のためにレース開催スケジュールを変更したWEC世界耐久選手権の決定に対して、昨年まで王者ポルシェWECチームに在籍し、今年レベリオン・レーシングからWECフル参戦を果たすアンドレ・ロッテラーが疑問を呈した。
「アロンソがF1を欠場する方が、全員にとって大いに楽だったよね?(WECは)彼のために色んな事を変えるつもりなのかね?」
現役F1ワールドチャンピオンのアロンソがWEC参戦を表明した事に伴い、F1アメリカGPと重複している第4戦富士6時間の開催日時が変更された。WECの配慮によってアロンソは、マクラーレンでのF1参戦と並行して2018年の全てのWECレースに参戦する事が可能となった。
WECのジェラール・ヌヴーCEOは、変更がアロンソの富士6時間レース参戦のためだけに実施された事を認めており「アロンソなしの富士6時間レースはあり得ない」との認識を示している。
IMSAプチ・ル・マンとSUPER GT 第7戦オートポリスは、WEC富士との日程衝突を避けるためにスケジュールを1週間前倒しにする事に決めたが、今回の変更によって再びバッティングする事態に陥った。重複が発生したレースの参戦契約を締結済みの全てのWECドライバー達は、難しい再調整を迫られる。
一人のドライバーを優遇しカレンダー変更が行われた事に対しては、現役ドライバーを中心として既に多くの疑問と批判の声が上がっている。今季SUPER GTに参戦するジェンソン・バトンは「WEC以外の契約がある多くのドライバー達とファンが不利益を被る」として反対の立場を表明した。
LMGTE-Proクラスのフォード・チップ・ガナッシ・チームUKからWECにフル参戦するオリヴィエ・プラは「ドライバー達へのリスペクトが欠如。あり得ない。憤慨しているのは僕だけじゃないはずさ」と怒りを隠さない。
昨年、ジャッキー・チェンDCレーシングをルマン優勝に導いたオリバー・ジャービスは、変更が正式発表される前にいち早くこの問題を指摘。「既に決定しているスケジュールに基いて契約を済ませている他のドライバー達は一体どう思うだろうね?」と問題を提起していた。
ヌヴーCEOは「批判は想定内」との認識を示しているが、今回のWEC日程変更論争は後々尾を引きそうな気配を漂わせている。