レッドフラッグ・赤旗とは、何らかの事故やアクシデントなどによってこのままの状態ではセッション続行が不可能とレースディレクターが判断した場合に、中断を知らせる為に振られる赤色の旗のこと。
レースディレクターがセッション中断を決断すると、コース上に複数箇所あるマーシャルポストで赤旗が振られると共に、同じくコースに設置されたライトパネルが赤色に点灯する。通知がなされるとピットレーン出口が閉鎖され、ドライバーは徐行しながら直ちにピットに戻らなければならない。追い抜きは禁止される。
直ちにピットに戻らなければならない旗には他に黒旗があるが、赤旗がサーキット全体の安全確保のために使用されるのに対し、黒旗は規約違反等の理由によって特定マシン・ドライバーを強制的にピットに戻させるために使用される。
F1における赤旗の扱い
F1において、赤旗はセッションの種別に応じてその意味が若干異なる。フリー走行の場合は走行中止の一方で、時計の針はそのまま進行となる。対照的に予選合は時計の針が一時停止となる。レースの場合も時計は停止されないが、中断時間分だけ、レースの最大時間が延長される(通常は2時間)。
レース再開に際しては、再開時刻の少なくとも10分前に各チームに通知がなされる。レース再開3分前の時点でホイールを装着していない場合はペナルティの対象となる。
再開時の並びはレース中断前の最終順位。レース中断時にピットにいたマシンはレース中断前の並び順で隊列に加わる。なおガレージ内にいたマシンはピットレーンでの再スタートとなる。
赤旗中に許可される作業
- エンジンの始動および準備
- 圧縮ガスの追加
- ウォーマーなどの認可済み冷却・加熱装置の着脱
- 前後ブレーキダクトの変更
- ラジエーターダクトの変更
- ドライバーの快適性のための変更
- ホイールおよびタイヤの変更
- 事故による破損箇所の修復
- フロントウイングの空力調整
レースが再開できない場合
レース距離の75%以上が完了していればフルポイント、2周以上75%未満の場合はハーフポイント、2周未満の場合ノーポイントとなる。レースの90%以上を完了したドライバーは、チェッカー時の走行状態を問わず完走扱いとなる。いずれの場合も、レース中断合図が出された周回の1つ前の周回が終了した時点の結果が採用される。
レース再開方法
通常はスタンディングスタートで再開されるが、セーフティーカー先導による再開前のフォーメーションラップで、路面の状態がスタンディングスタートに適していないと判断された場合はローリングスタートとなる。
これは公式メッセージシステム上でチーム側に通知されると共に、ライトパネルにおいて「RS」と表示される事でドライバーにも通知される。