
FIA規定8860レーシング・ヘルメット
FIA規定8860レーシング・ヘルメットとは、あらゆる安全規格の最高峰に位置するFIA規定8860をクリアしたヘルメットのこと。強靭な耐久性・安全性を誇るザイロン(Zylon)製のバイザーが装着されている。
多くのモータースポーツにおいては、国際モータースポーツ競技規則付則J項のテクニカルリストに記載されている何れかの基準に合致したヘルメットの装着が義務付けられており、FIA規定8860はこの中のひとつ。2018年には最新規格の「FIA 8860-2018」が完成し、2019シーズンのF1に導入される事になった。
ザイロン製バイザーは2009年F1ハンガリーGPでのフェリペ・マッサの事故を受けて開発されたものである。先行するマシンから外れ落ちたスプリングが、後方を走行していたマッサのヘルメットバイザーを直撃・貫通し重傷を負ったアレだ。
特徴
耐衝撃性、ショック吸収性、デブリ衝突に対する耐貫通性など、クラッシュに際してヘルメットに加わる事が想定されるあらゆる種類の性能が確保されている。
- わずか1,200グラムのカーボンファイバー製シェル
- 55トンの戦車の破壊力にも変形しない
- 800℃の炎に30秒間さらされても内部は70℃以上にならない
ザイロンとは、合成繊維の商品名で、有機系繊維の中で最高レベルの引張強度・弾性率を持つ繊維。防弾チョッキやコンクリート補強材など幅広く使用されている。