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CFD
CFD(英:Computational Fluid Dynamics)、すなわち数値流体力学とは、コンピューターを使って空気の流れをシミュレーションする解析手法を指す。
CFDは風洞と並ぶF1マシン開発のための要である。風洞では制御された環境下で実物あるいはスケールモデルに風を当てて気流を計測する。CFDでは同じ実験をスーパーコンピューターを使ったシミュレーションによって行う。
気流や圧力を可視化できるCFDは視覚的に非常に分かりやすいが、変数が膨大な現実のレース環境完全に再現することができず、その近似値に留まるため風洞との併用が欠かせない。ちなみに流体とは、物質の三態のうち気体と液体を指す。
大規模な施設は不要でランニングコストも大幅に削減できる。F1のチーフ・テクニカル・オフィサーを務めるパット・シモンズによると、風洞の運用には年間100万ドル以上の電気代がかかるという。
また、風洞では測定できないような現象を補足したり、レース条件変化による違いを瞬時に理解できるという利点もある。これは設計開発のスピードアップ、コスト削減、レギュレーション変更に対するいち早い理解の助けになる。
CFDや風洞にて設計されたマシンの実際のパフォーマンスを測るための道具・デバイスには、エアロレイクやピトー管、フロービズ等がある。