ニック・チェスター
人物データ
名前 | ニック・チェスター / Nicholas Richard Chester |
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国籍 | イギリス |
出身地 | リポン |
生年月日 | 1969年03月22日 / 55歳 |
ニック・チェスター(Nicholas Richard Chester)は、イギリス・ノース・ヨークシャーの小さな観光町、リポン出身のF1エンジニア。2023年5月、F1への新規参戦を目指すアンドレッティ・グローバルのテクニカル・ディレクターに就任した。
度重なる買収のために多数のチームに籍を置く事になったものの、20年間に渡って一貫してエンストンのチームでキャリアを重ね、2013年から2019年までルノーF1チームのテクニカル・ディレクターを務めた。
略歴
1991年にケンブリッジ大学を卒業後、94年に車両シミュレーターとしてシムテック・リサーチに入社し、フォーミュラ1でのキャリアをスタートさせた。その翌年にはアロウズへと移籍。サスペンション設計を経て、デーモン・ヒルとペドロ・ディニスのパフォーマンス・エンジニアを務めた。その後はレースエンジニアへと昇格し、ミカ・サロとペデロ・デ・ラ・ロサをサポートした。
2000年にテストエンジニアとしてベネトンへ移籍。アレキサンダー・ブルツとジャンカルロ・フィジケラ、そしてマーク・ウェバーを補佐した。ルノーに買収されワークスとなった01年にはフィジケラを、02年から04年まではヤルノ・トゥルーリをパフォーマンス・エンジニアとしてサポート。04年モナコGPでのトゥルーリ生涯唯一の勝利に貢献した。
2005年に、サスペンション、ブレーキ、シミュレーションを統括する車両パフォーマンス部門(VPG)の責任者に就任。ニック・チェスター率いるVPGが手がけた革新的なシステム「チューンド・マスダンパー」によってシャシー姿勢が大幅に安定。エンストンのチームに2年連続のコンストラクタータイトルをもたらすと共に、フェルナンド・アロンソの2冠に大きく貢献した。
2010年にはパフォーマンスシステム部門のトップに昇格。これまでのVGPと合わせて、コントロールシステムとダイナモ・オペレーションを監督する立場となった。チームは2011年にグループ・ロータスに売却され「ロータス・ルノーGP」に。チームに残ったチェスターは、2012年にロータスのエンジニアリング・ディレクターに任命され、その1年後に、チームを去ったジェームス・アリソンの後任として技術部門のトップ、テクニカルディレクターに就任した。
ルノーは2016年にワークス復帰するも、遅々として成果を挙げることが出来ず、2019年にはパワーユニットを供給していたカスタマーチームのマクラーレンにコンストラクター選手権で敗北。最終戦を終えたところで、テクニカルチームの組織再編の一環としてニック・チェスターの離脱を発表した。
キャリア年表
年 | 概要 |
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1995-2000 | アロウズのレースエンジニア |
2000 | テストエンジニアとしてベネトンへ移籍 |
2001 | 買収されルノーとなったチームでレースエンジニアに昇格 |
2005 | 車両パフォーマンス部門の責任者に就任 |
2010 | パフォーマンスシステム部門のトップに昇格 |
2012 | ロータスのエンジニアリング・ディレクターに就任 |
2013 | テクニカル・ディレクターに昇格 |
2019 | ルノーを離脱 |
2023 | アンドレッティのテクニカル・ディレクターに就任 |