ダン・ファローズ（Dan Fallows）はイギリス出身のF1エアロダイナミスト。レッドブルで9度の世界タイトル獲得に貢献した後、2022年4月2日にアストンマーチンのテクニカル・ディレクターに就任した。

英サウサンプトン大学で航空宇宙工学を学び1996年に卒業すると、翌年にエアロダイナミストとしてローラに入社。モータースポーツのキャリアをスタートさせた。

2001年に上級エアロダイナミストとしてジャガーに移籍。レッドブルによる買収を機に、2005年からの1年をF1チーフ・エアロダイナミストとしてダラーラで過ごし、2006年に空力部門のチームリーダーとしてレッドブルに入社した。

セバスチャン・ベッテルとの2010年から2013年にかけての選手権4連覇を経て2014年にチーフ・エンジニアに昇格。そして2022年、ジャガー時代を含めて16年を過ごしたミルトンキーンズに別れを告げ、技術部門トップとしてアストンマーチンに移籍した。

新設のチーフ・テクニカル・オフィサー（CTO）に就任したアンドリュー・グリーンに代わる新たなテクニカル・ディレクターとしての移籍だった。ファローズとグリーンはレッドブル時代に同僚の関係にあった。

移籍に際してはレッドブルとアストンマーチンとの間で法廷闘争が繰り広げられた。

アストンは2021年6月にファローズの引き抜きを発表したが、レッドブルは2023年7月まで手放す意思はないと明らかにした。2021年10月、レッドブルは法的手続きを開始。2022年1月24日に初法定が予定されていたが、その数日前にアストンとの間で和解に達した。

ファローズを巡るチーム間の揉め事は2度目だった。2014年、ファローズはマクラーレンに移籍する予定であったがレッドブルに説得され残留した。これに対してマクラーレンは法的手段に訴えると脅したが、最終的に取り下げた。