ダン・ファローズ、アストンマーチンF1のテクニカル・ディレクターを退任…鬼才ニューウェイの合流を前に
アストンマーチンF1チームは2024年11月12日、テクニカル・ディレクターを務めるダン・ファローズの退任を発表した。その理由や後任は明らかにされていないが、技術部門の再編は必至だ。
退社ではなく、あくまでも現職の退任であり、詳細は不明だが、ファローズは今後もアストンマーチン・グループ内に留まる。
グループCEOのアンディ・コーウェルは、「この2年に渡るダンの貢献に感謝したい。彼の指揮のもと、AMR23(2023年型マシン)は8回の表彰台を獲得し、成功を収めた」と述べた。
ファロウズは、「バトンを渡す時が来たと感じている。チームの今後の成功を楽しみにしている」とコメントした。
自ら職を辞したのか、あるいは解任されたのかは不明だが、チームは共同声明という形で今回の人事を発表した。
アストンは今年9月、計25回ものF1タイトルに貢献してきた伝説的なF1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイを「マネージング・テクニカル・パートナー」およびチームの株主として迎え入れると発表した。
ニューウェイは2025年3月1日にアストンに合流する。ファローズはレッドブル在籍時、ニューウェイを支える役割を担った人物の一人だった。
ファローズは2001年、ジャガーの上級エアロダイナミストとしてF1キャリアをスタートさせた。レッドブルによる買収を機に、2005年からの1年をF1チーフ・エアロダイナミストとしてダラーラで過ごすと、2006年に空力部門のチームリーダーとしてレッドブルに入社した。
セバスチャン・ベッテルとの2010年から2013年にかけての選手権4連覇を経て、2014年にチーフ・エンジニアに昇格。そして2022年、ジャガー時代を含めて16年を過ごしたミルトンキーンズのチームに別れを告げ、技術部門トップとしてアストンに移籍した。
ファローズにとってのアストンでの初シーズンとなった昨年は、フェルナンド・アロンソが8回の表彰台を獲得するなど、チームは一時、レッドブルとタイトル争いを繰り広げるほどの競争力を発揮したが、今季は一転、一度も表彰台に上がれておらず、シーズン中盤以降はミッドフィールドに埋もれている。
ニューウェイの加入とファローズの異動により、チームの技術部門のさらなる再編が予想される。