レッドブル・ホンダの空力部門を率いるダン・ファローズ、2017年F1マレーシアGPにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルF1の空力の要ダン・ファローズ、テクニカル・ディレクターとしてアストンマーチンに移籍

  • Published:

レッドブル・レーシングの空力部門を率いてきたダン・ファローズがアストンマーチンに引き抜かれた。15年に渡ってチームのエアロ開発を先導してきた立役者は、現行契約が満了次第、英国シルバーストンのチームに移籍する。

アストンマーティンは先日、チーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)へと昇格したアンドリュー・グリーンに代わる新たなテクニカル・ディレクターを採用する計画を発表。実際にその席に就いたのはレッドブル時代のグリーンの同僚だった。

サウサンプトン大学で航空・宇宙工学を修めて1997年にキャリアをスタートさせたダン・ファローズはローラ、ジャガー、ダラーラを経て2006年にエアロダイナミクス部門チームリーダーとしてレッドブルに移籍。2010年から2013年にかけてのセバスチャン・ベッテルとのダブルタイトル4連覇に貢献すると、2014年にはエアロダイナミクス部門の責任者に昇格した。

今回の移籍によってアストンマーチンは、アンドリュー・グリーンをCTOとしてその下にルーカ・フルバート(エンジニアリング・ディレクター)、トム・マッカロー(パフォーマンス・ディレクター)、そしてダン・ファローズ(テクニカル・ディレクター)の3名を置く新たな技術体制を築く事になる。

ダン・ファローズは先頭争いを目指すアストンマーチンにおいて今後、空力開発と車体デザイン全般、そして短・中期的な技術戦略を担当する事になる。

レッドブル・ホンダはF1第8戦シュタイアーマルクGPのFP1終了後、ダン・ファローズがチームを去る事を発表する一方で、契約終了までは今後もチームに留まるとして2021年のタイトル争いへの影響を否定。15年間に渡る献身と功績への感謝を表明した。

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナーCEO兼チーム代表は「ダンがレッドブルで重要な役割を果たしてくれた事を考えれば、彼の離脱が残念である事は確かだが、F1チームのテクニカル・ディレクターに就任するというチャンスは、彼のキャリアにとって魅力的な次のステップだ」と述べ、移籍を決断したダン・ファローズに理解を示した。

ダン・ファローズの後任については現時点で発表されていないものの、レッドブル・ホンダは外部からの起用ではなく内部の有能な人材を昇進させる見通しだ。

F1シュタイアーマルクGP特集