ハースF1チームのウェアを着用したニキータ・マゼピン

ニキータ・マゼピン

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人物データ

名前 ニキータ・マゼピン / Nikita Mazepin
国籍 ロシア
出身地 モスクワ
生年月日 1999年03月02日 / 25歳
身長 176cm
体重 68kg
F1デビュー 2021年
WEBサイト nikitamazepin.com
SNS instagram

ニキータ・マゼピン(英:Nikita Dmitryevich Mazepin)はロシア・モスクワ出身のレーシングドライバー。FIA-F2選手権での2シーズン及び、3年に渡るフォース・インディアのテストドライバーを経て2021年にハースF1チームでF1デビューを果たす。契約は複数年。

父親のドミトリー・マゼピンはロシア・ベレズニキに本拠地を置く多国籍化学企業、ウラルカリ社の創業者兼筆頭株主で国内有数の資産家として知られ、全ロシア水泳連盟の理事でもある。2015年のフォーブス誌の調べによると、総資産は13億ドル(約1,360億円)と見積もられている。

後述の通り、暴力行為や荒々しい走りによって他車を妨害するなど、度々トラブルを起こしている。

主なキャリア

F3ヨーロッパ選手権

2016年にハイテック・グランプリからFIAフォーミュラ3ヨーロッパ選手権に参戦。ポイントを獲得したのは僅か4回と、フル参戦ドライバーとしては最下位の20位というシーズンに終わった。

この年のハンガロリンクでは、走行を妨害されたとしてカラム・アイロットと口論となり顔面を殴打。頬と首に切り傷を追わせて出走禁止処分を受けた。アイロットが所属していたヴァン・アメルスフォールト・レーシングのチーム代表、フリッツ・ヴァン・アメルスフォールトは制裁が軽すぎるとしてスチュワード及び国際自動車連盟(FIA)に対して抗議。物議を醸した。

翌年は初年度よりも成長を遂げて3度の表彰台を獲得。ランキング10位でシーズンを終えた。

GP3時代

2018年はカラム・アイロット、ジェイク・ヒューズ、そしてこの年のチャンピオンとなるアントワーヌ・ユベールと並びARTグランプリからGP3に参戦。4勝を挙げてユベールに次ぐランキング2位でシーズンを締め括った。

FIA-F2選手権

2019年はARTグランプリからF1直下のFIA-F2選手権に参戦。ソチ・オートドロムでの第11戦では、コース復帰の際のルールを無視し、ジャック・エイトケンとホンダの育成ドライバーである松下信治(カーリン)に接触。スチュワードは「他者に対する配慮が完全に欠如していた」として、マゼピンに次戦での15グリッド降格と共に4点のペナルティポイントを科した。

この年のマゼピンは、チームメイトのニック・デ・フリースが266ポイントを獲得してチャンピオンに輝いた一方、僅か11ポイントの18位に終わった。

また、翌2020年8月のスパ・フランコルシャンでは、トップチェッカーを受けたものの最終盤の攻防の際に角田裕毅(カーリン)をコースオフに追い込んだとして5秒ペナルティを受け2位に降格。レース後のパルクフェルメにクルマを停止させる際に2位ボードを跳ね飛ばし、飛んだボードが危うく角田裕毅に当たるシーンがあった。

一件は審議の対象となり、スチュワードは「潜在的に危険で非スポーツマン的な行為」であるとして、F2スポーツ規則第27条4項への違反があったと認定。マゼピンに対して執行猶予付きの5グリッド降格ペナルティと共に、1点のペナルティポイントを科した。

F2最終戦後には、自身のインスタグラムに如何わしい動画を投稿し、大きな問題へと発展した。

映像にはポルシェの助手席に座って移動中のマゼピンが、左後席に座っていた女性の胸を触ろうとする様子が映っており「彼女は最高だ」とのコメントが添えられていた。なお女性は中指を立て、その腕を払いのけようとしていた。

映像に映っていたと思しき女性は後に、SNSを通して悪ふざけだったと釈明しているものの、投稿したのが本人かどうか等、悪ふざけであったのかどうかを断定できる材料は出ていない。

いずれにせよ周辺は一件を非常に深刻に受け止め、来季デビュー先のハースは翌日に「容認できない」「忌まわしき事態」である等としてマゼピンの行動を強く非難。更にF1とFIAがハースの対応を強く支持するとの旨の共同声明を発表するに至った。