ルイス・ハミルトンは、イギリス出身のレーシングドライバー。2020年シーズンのF1世界選手権を制し、ミハエル・シューマッハと並ぶ史上最多7度目のF1ワールドチャンピオンに輝いた。

父はアフリカ系イギリス人、母はイングランド人。2008年に当時フェルナンド・アロンソが持っていた史上最年少記録を塗り替えF1ワールドチャンピオンを獲得すると、メルセデスAMGと共に2014年から2020年の6年で6度のタイトルに輝いた。

13歳の時に英国ウォーキングのチームと長期契約を結び「マクラーレンの秘蔵っ子」と言われたが、2013年にキャリアの大部分を過ごしてきたマクラーレンを離れ、ブラウンGPを買収して誕生したメルセデスに移籍。この判断が功を奏し、2014年、15年のドライバーズタイトルを連覇。16年はチームメイトのニコ・ロズベルグに及ばす2位に甘んじたが17年、18年、19年と3年連続で選手権を制し、6度目のF1ワールドチャンピオンに輝いた。

2018年に再びチャンピオンを決めた第19戦メキシコGP直前、父方の祖父デビッドソン・ハミルトンが他界。精神的に厳しい状況の中で、ファン・マヌエル・ファンジオとミハエル・シューマッハに続く史上3人目となる5度目のタイトル獲得の快挙を果たした。いずれもメルセデスとの関わりが深いドライバーであり、ダイムラー会長ディーター・ツェッチェは、この3人全てと仕事を共にした経験を持つ事となった。

文字の読み書きに著しい困難を抱えるディスレクシア（識字障害）である事を告白しており、学校生活に苦労していたようだ。そのため、将来は貧しい子ども達のための学校建設に意欲を示している。2017年に発売された人気レースゲーム「グランツーリスモSPORT」では、マエストロ兼メンターを務めている（詳細）。

ハミルトンは「レースを引退したドライバーの多くはレース界に身を置き続けるが、僕はそうはなりたくない」と語っており（詳細）、2016年に電撃引退を発表した幼少期からの友人ニコ・ロズベルグ同様に、突然F1を去りそうな雰囲気があるが。。

主なキャリア

1993年

8歳でカートからキャリアをスタート

1998年

育成ドライバーとしてマクラーレンとの長期契約を獲得

2001年

F3ユーロシリーズに参戦し、3年目にチャンピオン獲得

2006年

F1に昇格したニコ・ロズベルグの後任としてARTグランプリからGP2に参戦、タイトル獲得

2007年

マクラーレン・メルセデスからF1デビュー、年間2位

2008年

フェルナンド・アロンソの持つ当時のF1史上最年少王者記録を破り23歳300日でチャンピオンに

2013年

メルセデスに移籍、年間4位

2014年

翌15年と合わせてタイトルを連覇

2017年

1年ぶりにチャンピオンに返り咲く

2018年

5度目のF1タイトルを獲得

2019年

6度目のF1タイトルを獲得

2020年

7度目のF1タイトルを獲得

5冠目を達成した2019年には、スポーツ界のアカデミー賞とも呼ばれるローレウス世界スポーツ賞の年間最優秀男子スポーツマンを称える「ローレウス・スポーツマン・オブ・ザ・イヤー」の栄冠に輝いた。審査員の投票数が同数であったため、サッカーのリオネル・メッシとのダブル入賞となった。これはローレウス賞20年の歴史の中で初めて。

ハンマータイム

レース中、予選相当のラップで猛プッシュする際に、レースエンジニアのボノから無線で「ハンマータイム」と指示が飛ぶ。これは2014年に導入された無線内容の制限を受けてハミルトンとの間で取り決められた。

ボノ曰く、「プッシュ」では意味するものが明確でないとして、ハミルトンは「ハンマー”ダウン”」を提案し、最終的に「ハンマータイム」に落ち着いたという。

写真ギャラリー

© Mercedes

2018年F1メキシコGP決勝レースを終えてセバスチャン・ベッテルから5度目のタイトル獲得を祝福されるハミルトン。ベッテルはこの後一人でメルセデスのガレージへと赴き、エンジニアやチームスタッフ一人ひとりを握手を交わし、選手権制覇を讃えた。

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ウサイン・ボルトとハミルトン、2017年F1アメリカGPにて

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丸メガネをかけるルイス・ハミルトン、2016年のシーズンキックオフにて

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バイクに跨るルイス・ハミルトン、2017年F1モナコGPにて

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メルセデスAMGに乗り込むルイス・ハミルトン、2017年F1マレーシアGPにて

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2017年F1アメリカGP決勝で優勝したハミルトンと、これを祝福するダイムラー会長ディーター・ツェッチェ

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2015年の母国F1イギリスGPで優勝したハミルトンにはファンからの大声援が送られた

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1回目のコンストラクター獲得を決めた2014年、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ

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ハミルトンの右耳の後ろには自身カーナンバー「44」のタトゥーを彫られている

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左からダイムラー会長ツェッチェ、ハミルトン、ロズベルグ、トト・ウォルフ

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イスラムの白装束を纏うルイス・ハミルトン