モンツァ・サーキットのターン4でサイド・バイ・サイドの争いを繰り広げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトン、2021年9月12日F1イタリアGP決勝レースにて
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残り7戦の勢力図…レッドブル・ホンダ対メルセデスの王座争いの行方や如何に?

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マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンによる今季チャンピオンシップ争いは僅か2点というポイント差で次戦トルコGPへと向かう。カレンダーにはまだシーズンの約3分の1のレースが残されており、どう転ぶかは全く分からない。

今シーズンはV6時代の中で最も激しい接戦が続いている。レッドブル・ホンダは8勝を挙げ、5勝のメルセデスを勝利数で上回っているが、シルバーストンやモンツァでのクラッシュの影響もあり、コンストラクターズ選手権では33ポイント差でメルセデスにリードを許している。

多様な特性を持つ過去15戦を消化した事で、両者は互いのマシンの長所と短所を把握するに十分なデータを得た。そしてロサイル・インターナショナル・サーキットがメルボルンの代わりとして11月に開催される事が決まった事で、残された戦いの舞台も確定した。両チームは残りのシーズンの戦況がどうなるかを概ね的確に把握している事だろう。

レッドブルはロシアGPでフェルスタッペンに4基目のエンジンを投入し、グリッド降格ペナルティを受けた。その理由の一つは、終盤戦の各グランプリでの競争力の予測分析を経て、ソチ・オートドロームが最も勝てる見込みがないレースの一つだと考えたからであった。

そんなロシアとカレンダー屈指のエンジン全開率を誇る苦手のモンツァを終えた事で、残り7戦はレッドブル・ホンダにとって比較的希望に満ちた状況とも言えそうだが、クリスチャン・ホーナー代表は楽観視しておらず、タイトル獲得の可能性を五分五分と予想している。

「ロシアやモンツァほど、メルセデスが際立った強さを発揮するようなサーキットは残されていないと思う」とホーナーは語った。

「去年、優勝している事からトルコでメルセデスが手強いであろう事は確かだ。だがオースティンに関しては我々も脅威となり得るはずだ」

「ブラジルとメキシコに関しては例年、我々が強さを誇ってきたコースだ。ただその後のカタールとジェッダは(初開催であるため)良く分からない。あとは(レイアウトが変更される)アブダビだ」

「テーブルに残されている状況から言って五分五分と言って良いだろう」

一方のメルセデスのトト・ウォルフ代表もまた「トルコは我々にとって相性が良さそうに思うし、オースティンもそうだが、毎年、我々のアキレス腱となってきたメキシコは若干厳しいだろう」と述べ、ホーナーと似通った予想を口にしている。

高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットは伝統的にホンダが圧倒的な強さを誇ってきたコースであり、メルセデスがダメージリミテーションの週末を強いられる公算は大きい。ハミルトンへの4基目投入はメキシコとなる可能性が高いだろう。

ドライバー達はタイトル争いの行方をどう評価しているのだろうか? ハミルトンは「間違いなくタフな戦いになるだろうね」と語る。

「これまでのシーズンの3分の2は彼ら(レッドブル・ホンダ)が優位に立っていたと思う。でも僕ら(フェルスタッペンと自身)とチームの両方に変化球が飛んでくるなど色々な事が起きて大変だった」

「今後も全てを懸けて戦わなきゃならない状況が続くと思う。凄くタイトな状況は変わらないだろうからね」

フェルスタッペンはただ一言「五分五分だ」とだけ答えた。

第16戦トルコGPと第17戦アメリカGPはメルセデス、続く第18戦メキシコGPと第19戦サウンパウロGPはレッドブル・ホンダ優位、そして中東でのラスト3連戦は霧の中、といったところだろうか。

ニコ・ロズベルグが2016年の世界選手権を制して以降、ドライバーズ・チャンピオンシップは例外なくシーズン最終戦を待たずに決して来た。今季は最後まで手に汗握る接戦が続く事を願いたい。

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