ウィリアムズのF1マシンFW36、2014年アメリカGPにて
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ウィリアムズ 来季ドライバーは来年1月に発表。シート争いは五分五分か?シロトキンの2つ不安材料

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ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングは、年明けの2018年1月までドライバー発表を行わない事を明らかにした。ウィリアムズは、来季のドライバーラインナップを発表していない唯一チームとなっており、ロバート・クビサとセルゲイ・シロトキンが残る1枠を争っている。先日ロシアのタス通信が、15日(金)に発表を行うと伝えたことで年内の発表が期待されていたが、チームは公式にこれを否定した。

現況ではシロトキンが優勢との見方が広がり、クビサ陣営は劣勢を強いられていると考えられていた。シロトキンの持ち込み資金は約1500万ドル(約17億円)と見られており、クビサの約900万ドル(10億円強)を大きく上回る。また、シロトキンの背後にはロシアの資産家とウラジミール・プーチン大統領が控えているものと考えられている。

来年2月には新車発表が控えており、3月25日にはオーストラリアにてシーズンが開幕する。早期の体制作りが求められる中、年内に発表が行われなかった事を考えれば、未だドライバーラインナップが決定していないと見るべきだろう。つまりは、シート争いは五分五分の状況に戻ったとも考えられる。

シロトキン起用の主な問題点は年齢と経験にある。1995年8月27日に生まれの若手ロシア人ドライバーは今年22歳になったばかり、チームのタイトルスポンサーは世界的に有名なベルモットを製造するイタリアの酒類製造会社マルティーニだ。98年生まれの19歳ランス・ストロールとのコンビではPRに影響が出る事が予想される。

また、ブランドイメージにも悪影響を及ぼす可能性がある。ストロールは史上最高額を持ち込んだペイドライバーであり、シロトキンも経験不足を資金によって補填しようとするペイドライバーとみなされる可能性が高い。”ペイドライバー2人体制”などと批判されることにでもなれば、ウィリアムズもマルティーニもブランドに深刻なダメージを負いかねない。追加のスポンサー獲得も難しくなる。

クビサ陣営も手をこまねいているわけではない。父アルトゥールは、何らかの対策を講じている最中にある事を明らかにしており、今週木曜には、クビサがウィリアムズのファクトリーを訪問していたとも伝えられている。なお、メルセデスのトト・ウォルフ代表が語ったように、パドックはクビサ復帰を待ち望んでおり、クビサを起用する場合にはPRやブランドイメージへの悪影響は発生しないだろう。