トト・ウォルフとニキ・ラウダ
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混迷のウィリアムズシート「ロバート・クビサが相応しい。誰もが応援している」とメルセデス

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メルセデスAMGのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、未だ来季シートが発表されていないウィリアムズにはロバート・クビサが相応しいと認めた。ウォルフは、ウィリアムズの筆頭候補がクビサであるのは明白であり、パスカル・ウェーレイン(ザウバー)は今年でF1から去るだろうと考えている。ザウバーの来季フェラーリエンジン締結に伴い、メルセデスは同チームのPUを使うウィリアムズに育成ジュニアドライバーのウェーレインを乗せるべく画策してきた。

「私見ではロバートはウィリアムズに相応しいと考えています。パスカルのチャンスはほぼ消滅しています」ウォルフは、Motorsport.comに対してこう語った。「ロバートが上手くやれない可能性も若干残されてはいますが、そんな事を望んでいる人間はどこにもいません。誰もが彼を応援しています」

パドック内の誰もがクビサの復帰を待ち望んでおり、それはウォルフも例外ではない。ウォルフは、チームに無理矢理ドライバーを起用させるのはF1全体の利益に反すると考えている。パワーユニットの値引き等を条件にウィリアムズ首脳陣にウェーレインの起用を提案したものの、交渉は成立しなかったものと見られる。

10億円強の資金持ち込みによってクビサは既にウィリアムズと2年契約を締結済みとも言われる。クビサはセルゲイ・シロトキンとランス・ストロールと共に、最終戦後のアブダビテストへの参加が決定しており、今季マシンFW40を走らせる。テクニカル・ディレクターのパディ・ロウは、発表を急ぐつもりはなく、また状況の進捗を口外する意思はないと明らかにしている。

ウェーレイン本人は、アブダビGPが最後のF1でのレースになるとは考えておらず、仮に18年にF1に残れなかったとしても再びカムバックできる可能性を信じている。かつて参戦しタイトルを獲得したDTMへの復帰も検討されているものの、おそらくは日本のスーパーフォーミュラか米インディカーへエントリーするものと見られる。

シート喪失が懸念されるのはウェーレインの相方も同様だ。ザウバーはマーカス・エリクソンの支持者が主要株主だが、フェラーリは傘下のアルファ・ロメオをF1に復活させるべく水面下で交渉を続けているとされ、これが実現すれば、同チームの育成ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィがザウバーに加入すると噂されている。フェラーリ・アカデミーのシャルル・ルクレールがウェーレインの後任に就くのはほぼ確実と考えられるが、残る1枠は未だ未定。ルクレールは圧倒的な強さで今年のF2チャンピオンを獲得している。

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