ウィリアムズのレーシングスーツを着るロバート・クビサ
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ウィリアムズF1、ロバート・クビサとの2019年レギュラードライバー契約締結を正式発表

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ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングは、2018シーズンF1最終アブダビGP開幕を翌日に控えた11月22日、ヤス・マリーナ・サーキットで記者会見を開き、2019シーズンのレギュラードライバーとしてロバート・クビサを起用する事を正式に発表した。

今年33歳となったクビサは8年ぶりにF1復帰を果たし、メルセデスの支援を受けるジョージ・ラッセルと共に2019年のFIA F1世界選手権に挑む。レギュラードライバーとしての初仕事は、アブダビGP後に行われるピレリタイヤテスト。ラッセルとマシンを共有しタイヤとマシンの評価を行う。

2006年にBMWザウバーからF1デビューを果たしたクビサは、2年後の2008年カナダGPで初優勝を獲得。出走76回、ポールポジション1回、表彰台12回の輝かしい成績を残し、次世代のチャンピオン候補としてスクーデリア・フェラーリへの移籍が約束されていた。

だが、ロータス・ルノーGPに在籍していた2011年の年明け早々にイタリアで開催されたラリー競技中にクラッシュ。右腕が部分的に切断される程の大きな事故に見舞われた。辛うじて一命をとりとめたものの、手首や腕の動きに不自由を抱える事となり、シングルシーターでのキャリアが終わったかに思われた。

だがその後必死のリハビリを続けレース界に復帰。2016年7月に英グッドウッド・フェスティバルでロータスE20でデモ走行を担当した後にF1への復帰を本格化させ、ルノー・スポールの協力の下でバレンシアやポール・リカール・サーキットでテストを重ねた。

そして昨年、ニコ・ロズベルグをマネジメントに迎え、ウィリアムズでのF1復帰に向け奔走したものの、多額のロシアンマネーを持ち込んだセルゲイ・シロトキンが、ランス・ストロールのチームメイトとしてウィリアムズのシートを獲得する事となった。

レギュラーシートの獲得は叶わなかったものの、クビサは今年ウィリアムズの開発ドライバーに就任。FW41の開発業務に従事しながら2019シーズンの復帰を目指して、地元ポーランドの石油会社PKN Orlenから1000万ユーロ、日本円にして約12億9000万円のスポンサーマネーを引き出す確約を得たとされている。

ウィリアムズは今年のコンストラクターズ選手権で最下位に転落する事がほぼ確実な情勢で、ランキングに応じて支払われる分配金が大幅に減少。更に、2018年のF1事業の売上は6千万ポンド(約89億円)に留まり、昨年よりも480万ポンド(約7億円)減少する見込みである事に加え、タイトルスポンサーのマルティーニとの契約も今季限りとなっており、懐事情は芳しくない。

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