F1ハンガリーテストが開催されたハンガロリンク
Courtesy Of Hungaroring Media

20枚の写真で振り返るF1ハンガリーテスト:クビサ応援団、釣り上げられたフォース・インディア、ド派手なヘルメット

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2018年最後のインシーズンテストが7月31日と8月1日の2日間に渡ってハンガロリンクで開催され、ハースを除く全てのチームが第12戦ハンガリーGP決勝終了後にそのまま現地に留まり、貴重なテスト走行に臨んだ。

セッションは現地時間9時から18時、日本時間16時から25時に渡って開催され、フル参戦しているレギュラードライバーに加えて、開発・リザーブドライバーを務める9名の若手(内一人は大ベテラン)が参加した。

F1ハンガリーテスト初日午後に降った雨の中を走るレッドブルとマクラーレン

ハンガリーGPの週末同様に全体として好天に恵まれものの、初日セッション終了90分前には豪雨。マクラーレンとレッドブル、ウィリアムズは雨用のインターミディエイトタイヤを履き走行を継続。トロロッソ・ホンダはセッションを切り上げた。

RB14に取り付けられた巨大なエアロレイク

マシン開発を進めるために、各チームはフロービズエアロレイク等の空力効果測定デバイスを持ち込みマシンに搭載。エアロパッケージの改善作業に取り組んだ。

開発中の2019年型ピレリタイヤを装着したトロロッソ・ホンダSTR13

トロロッソ・ホンダは2台のSTR13を持ち込み、1台を通常のテストに、もう1台を2019年型ピレリタイヤに充てた。無印の黒タイヤが異質感を放つ。

テストの様子を見守るトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー

ハンガリーGPで中団グループ最上6位入賞を果たしたピエール・ガスリーは2日目午後のタイヤテストを担当。午前中は、通常テストを担当したショーン・ゲラエルの走行を見守った。

F1ハンガリーテストを走る2台のトロロッソ・ホンダSTR13

ハンガリーテスト初日のトロロッソ・ホンダのガレージ

トロロッソは空力相関、エアロレイクを取り付けての新しいパーツの評価、新しいサスペンションシステムの実験、後半戦で投入予定の新しいパワーユニットアイテムなどをテスト。2日間でトータル499周、2,186kmに相当する距離を走り込んだ。

ロバート・クビサを囲むメディアの群れ、2018年F1ハンガリーテスト

前年に比べ競争力が著しく低下したFW41の改善を目指すウィリアムズは、2日目のセッションをベテランのロバート・クビサに託した。

ハンガロリンクでのテストに駆けつけたロバート・クビサ応援団

F1ハンガリーテストに参加するロバート・クビサの応援のためにハンガロリンクに駆けつけたファン

ファンの声援に応えるロバート・クビサ、2018年F1ハンガリーテスト

19年のF1シート獲得を応援するファンが駆けつけ、グランドスタンドに「FORZA ROBERT」の横断幕。期待に応えるべく、クビサは一日を通して103周を走り、ウルトラソフトタイヤで6番手タイムとなる1分18秒451をマークした。

アルテム・マルケロフのど派手なヘルメット

F1公式テスト初参加となったアルテム・マルケロフのヘルメットは、メソポタミア文明の発掘品のような神々しさ。23歳のロシア人ドライバーは、初日のニコ・ヒュルケンベルグからバトンを引き継ぎ、2日目を担当した。

ルノーからF1ハンガリーテストに参加したアルテム・マルケロフ

「もしまたマシンをドライブするチャンスがもらえたら、その際は走行する毎にどんどん速く走れるはず(だからチャンス下さい)」9番手タイムでセッションを終えたマルケロフは、自己アピールを忘れなかった。

2019年型フロントウイングを装着したフォース・インディアVJM11

レッドブルやウィリアムズと並び、フォース・インディア勢は2019年型の簡素なフロントウイングを装着。シンプルになった分、スポンサーの掲載枠が確保しやすい?

マシントラブルでストップしたフォース・インディアVJM11を釣り上げるクレーン、2018年F1ハンガリーテスト2日目

2日目を担当したニキータ・マゼピンは、マシントラブルのために僅か51周の走行に留まった。マシンを降りたマゼピンは「プログラムを終えられなかったけど、50周以上走り込めたし有意義だったよ」と前向きなコメントを残した。

カーナンバー99のスクーデリア・フェラーリSF71H、アントニオ・ジョビナッツィ

見慣れないカーナンバー99をつけたスクーデリア・フェラーリSF71H。初日の走行を仰せつかったのは育成ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィ。ハイパーソフトを履き1分15秒648の非公式コースレコードを記録したが、ジョージ・ラッセルの手によって僅か1日で塗り替えられてしまった。

ジョビナッツィは、2日目にアルファロメオがメインスポンサーを務めるザウバーガレージに移動、C37へと乗り継いだ。

フェラーリのホスピタリティを歩くキミ・ライコネン

キミ・ライコネンは2日目を担当。淡々と走行を続け全11台中最多の131周を走破。ハイパーソフトタイヤで1分15秒649を刻んだものの、メルセデスのジョージ・ラッセルに0.074秒及ばずタイムシート最上位を逃したが「結局のところ、グランプリの金曜日とさほど変わらない。テストというのは色んな事を試す場なわけで、ラップタイムにはあまり意味がない」といつものアイスマン節を披露した。

カーナンバー47をつけたマクラーレンMCL33、2018年F1ハンガリーテスト

真剣な眼差しのランド・ノリス

マクラーレンはチーム首脳陣が太鼓判を押すランド・ノリスを召喚。ブレンドン・ハートレーに代わってトロロッソ・ホンダへのレンタル移籍が噂されたノリスは、初日に107周を走り込みウルトラソフトで1分19秒294の4番手。2日目は73周を走破し、ソフトタイヤで1分18秒472の7番手タイムを刻んだ。

F1ハンガリーテストに参加したジョージ・ラッセル

メルセデスは英国出身の現FIA F2選手権ランキングリーダー、ジョージ・ラッセルを起用。2019年にウィリアムズあるいはフォース・インディアからのデビューが噂されるラッセルは2日間の全てのセッションを担当し、最終日に桃色ハイパーソフトタイヤで1分15秒575を記録。非公式コースレコードを塗り替えトップに立った。

ハンガリーテストを以て、2018シーズン前半の全ての公式セッションが終了。F1サーカスはレギュレーションで定められたファクトリー閉鎖期間を含む3週間の夏休みを楽しんだ後、8月24日(金)に開幕するF1第13戦ベルギーGPで後半戦を迎える。