インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された第102回インディ500スタート前のグリッドの様子。膨大な数の観客が確認できる
Courtesy Of Indycar / Jason Porter

現役F1ドライバーがインディ500に参戦する未来が訪れる?

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現役F1ドライバーがインディアナポリス500マイルレースに参戦するという未来が近く訪れる可能性が出てきた。

世界3大レースの一つに数えられるインディ500は、伝統的に米国の戦没将兵追悼記念日の前日日曜に開催されるが、この時期には同じく3大レースの一つであるF1モナコGPが開催されている。

今年は1週間互い違いとなったが、モナコGPはキリスト昇天祭に合わせてスケジュールが組まれるため、両者は例年開催日程がバッティングする傾向にある。

そのため現役F1ドライバーがインディ500に参戦するためには、2017年のフェルナンド・アロンソのようにモナコを欠場しなくてはならない事情があり、佐藤琢磨やマーカス・エリクソンのようにF1キャリアを終えた後に出走する例が多い。

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2021年5月22日インディ500予選1にてCourtesy Of Indycar

佐藤琢磨、2021年5月22日インディ500予選1にて

だが、モータースポーツ全体の振興のために、F1とインディカーが協力し合い、日程調整が行われる可能性が出てきた。

F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンはRACERとのインタビューの中で、F1の経営陣は日程の衝突を避ける事に「完全にオープン」であり、インディカー・シリーズ及びインディ500の舞台であるインディアナポリス・モーター・スピードウェイを所有するロジャー・ペンスキーと話し合う用意がある事を明らかにした。

現在はマクラーレンのみがF1とインディ500の両レースに参加しているが、スケジュール的に問題がなく、かつ両シリーズが相互交流を推し進めていけば、他のF1チームが手を挙げる可能性も考えられなくはない。

ただし、実現に際して解決すべき課題はレース開催日だけではない。

時速380kmという驚異的なスピードで周回するインディ500は、僅かなミスが文字通り命取りとなる可能性があり、近年でさえプラクティスを含めたイベント全体は2週間に及ぶ。

つまり少なくとも、モナコGPとその前戦は3週間離れている必要があるが、F1は年間のレース開催数を拡大させる意向を示しており、近年のカレンダーにはトリプルヘッダーやダブルヘッダーがひしめいている。調整は簡単ではない。

また、仮に日程調整が上手くいったとしても、F1チーム側が所属ドライバーのインディ500参戦を許可するかどうかという問題もある。例えばフェルナンド・アロンソはアルピーヌとの契約上、チームに在籍する以上は参加が認められていないと考えられている。

ただ、F1とインディカー・シリーズに限らず、こうした異カテゴリー同士の日程調整はファンにとって歓迎すべきものであり、モータースポーツ全体を盛り上げていくという点でも是非期待したいところだ。